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「変人と思われてもいい」マッチものまね、ボクシング、絵画、ヨガ…万能型芸人・片岡鶴太郎(67)が『ひょうきん族』で掴んだ“人生の極意”

片岡鶴太郎さんインタビュー#2

genre : エンタメ, 芸能

「ものすごく不器用なんです、俺」ボクシング当初は縄跳びもできなかった

──ボクシングでも反復は生きた?

片岡 ええ。最初はね、ひどいものでした。32歳でジムに入ったんですが、なにしろ体重65kgでしょう? どんくさくて、縄跳びもできない。ジムの人たちはがっかりしたと思いますよ。

1985年、ボクシングを始める直前の頃

──プロになる宣言をして始めたのに、スタートからつまづいた。

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片岡 縄跳びができなくて、トレーナーに「どうやって跳ぶんですか?」と聞いたら、「鶴さん、コツはないです。うまい選手を見て、そのイメージを描きながらひたすら飛ぶしかない」と。だから、毎日縄跳びに引っかかり続けましたよ。無様な姿で。

 でも不思議なもので、1週間、2週間、そして3週間やると、少しずつ引っかからなくなる。さらに1か月、2か月経つと、少しだけ、ボクサーのような跳び方に近づいた自分がいるんですよ。

──完璧に跳べるようになったのはいつ頃?

片岡 続けるうちに何となく、ですね。足の運びも、続けていると0.00001mmずつくらい、ごく微々たる気付きがあって、その度に修正する。自分の体で感じながら反復するしかないです。

──どんなジャンルであれ、反復こそが結果に出ますか?

片岡 出ますね。

©文藝春秋 撮影/松本輝一

──確信したんですね。できない自分に失望している暇はない?

片岡 ないですね。もちろん「自分は下手だ、うまくいかないな」とは思うけど、最初からうまい人はいないんですよ。

 ものすごく不器用なんです、俺。まず、センスがない。運動神経もない。ボクシングも絵もヨガも、自分はダメだとわかってて、最底辺から始めてるんですよ。他の人が1、2回でできることも、5倍、10倍もやらないとできない。

「いつまでにできるように」と期限を決めない

──自分では不器用だと?

片岡 世間の方は「鶴太郎は器用にいろいろやっている」と思うかもですが、とんでもない。ひたすら反復。あとは、期限を決めないことです。