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「変人と思われてもいい」マッチものまね、ボクシング、絵画、ヨガ…万能型芸人・片岡鶴太郎(67)が『ひょうきん族』で掴んだ“人生の極意”

片岡鶴太郎さんインタビュー#2

genre : エンタメ, 芸能

note

 

──「いつまでにこれを実現するぞ」という期限を決めない?

片岡 決めないです。時間はかかるものですよ。時間をかけて、懸命にやって怒られることはないでしょう? とにかくゆっくり、ゆっくりやる。「俺は不器用だ、だから逆にチャンスだ」といつも思っています。

©文藝春秋 撮影/松本輝一

──「俺は不器用だ、だからダメだ」とはなりませんか。

片岡 ならない。悲観や卑下など、劣等感の中に自分を置くことはしないです。自分が不器用なのはわかってるから、期限を決めず、ハンドルをしっかり握って、繊細にやる。すると、最初から器用でセンスのある人には見えない、自分だけの景色が広がってくるんです。

 ヨガも絵も、毎日やるからこそわかる、わずかな差異の世界があります。また同時に、できないこと、自分の限界も見えてきます。でも、ネガティブな発見も含めて喜びなんです。

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──自分の弱みも強みもクリアに知るのは、気持ちいいですか。

片岡 気持ちいいです。変人と思われてもいい。人様に話しても理解されない、自分だけの喜びですよ。「あぁ幸せだな、やっぱりやってよかったな。これを感じたかったんだな」と思いながら、ヨガも絵も続けています。

少しずつでも続ければ、いつか中身が入れ替わる

片岡  あのね、絶対に正しいと確信していることがあって。ここにコーヒーが入ったカップがあるとします。

──はい。コーヒーカップ。

片岡 これに、真水を1日1滴ずつ垂らすとしましょう。毎日ポツン、ポツンと垂らして1年、2年……「いつまで」と期限を設けず、ずっと続けます。やがていつか、カップの中は真っ黒なコーヒーではなく、透明な真水だけになりますよね。

──少しずつでも真水を足し続ければ、コーヒー成分は外に出ていきますね。

片岡 1滴ずつでも真水を足せば、やがてコーヒーは飴色になり、透き通ってくる。さらに続ければ真水になる。その「1滴ずつ垂らす」のが反復なんです。

 だから、とにかく止めないこと。今の私はヨガのイメージが強いのかもしれませんが、ボクシングや絵も断ち切らずに継続しています。モノマネも完全に止めたわけじゃないですし。人様とのご縁はずっと続いていくものなので、どれもただ、淡々と続けるだけです。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

「変人と思われてもいい」マッチものまね、ボクシング、絵画、ヨガ…万能型芸人・片岡鶴太郎(67)が『ひょうきん族』で掴んだ“人生の極意”

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