兵庫県神戸市の基幹病院「甲南医療センター」に勤務していた医師・高島晨伍（しんご）さん（26）が昨年5月17日に過労自殺した問題。高島さんの実兄で、自身も医師のAさんが「週刊文春」の取材に応じ、具英成（ぐえいせい）院長への憤りなど、悲痛な胸中を明かした。
地元記者が解説する。
「高島さんの自殺は月200時間超の時間外労働による精神疾患が原因だとして、西宮労働基準監督署が労災認定しています。一方、具院長らは会見で『過重な労働を付加していた認識はない』と主張し、高島さんが自己申告していた残業時間は30時間ほどだと明かした。労基が認定した時間外労働には、業務ではない自己のスキルアップを図る『自己研鑽』の時間が含まれていると釈明したのです」
「週刊文春」は8月19日配信のオンライン記事で、今年3月3日に行われた高島さんの自殺に関する職員向け説明会の音声データについて報道。そこでも具院長らは、高島さんの残業時間の具体的な時間を明かさずに「（高島さんの）業務量は多いとは言えない」「自己研鑽の時間はどのくらいか、資料を持ち合わせていません」などと話していた。
さらに、8月21日配信のオンライン記事では、高島さんの自殺後、病院の働き方改革特別推進室が作成した「医師の時間外労働と自己研鑽についての取り扱い指針〈院外持出厳禁〉」と題された内部資料について報道。病院側が、新薬に関する勉強など様々な“業務”を「自己研鑽」「業務外」としている実態を窺わせる内容だった。
そうした中、高島さんの実兄・Aさんが今回、「週刊文春」の取材に応じた。
