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親友が目撃した歩夢くんへの「あたりが厳しい」石井と丹羽の態度

 一方、柿本母子がX子さんの元で半年ほど居候していた間に知り合ったのが、石井と丹羽である。石井は「うちで面倒をみるから」と柿本母子を現場の家に呼び寄せ、支配下に置いたのだった。

 丹羽の親友だったAさんが振り返る。

「本庄の家には何度か遊びに行ったことがありました。家では、石井か丹羽が歩夢くんを説教し、それを知香が反復してまた伝えるような感じでした。歩夢くんがご飯を食べるのが遅いと、知香がスマホのストップウォッチで時間を計っていたこともあります。石井や丹羽は子供好きな印象がありましたが、ちょっとあたりが厳しいんじゃないかなとは感じていました」

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 Aさんは歩夢くんの異変に気付いていた。

「歩夢くんは年齢のわりに表現の乏しい子で、向こうから近寄ってくることはなかったんですが、今思えば、あれは虐待の影響だったのかもしれません……。以前、丹羽たちが買い物に出かけて歩夢くんと2人で家の留守番をした時、テレビゲームをして遊んだら、とても楽しそうにしていたんです。一人称も『オレ』で、こんな子供らしい姿を見せてくれることもあるんだなと。2022年の正月、お年玉をあげたのが最後でした」

歩夢くんの死後、知香に優しくなった石井

 公判では、歩夢くんが亡くなった翌日の1月19日に石井が書き残したメモの内容が明かされている。

〈昨夜8時過ぎに眠る。小さな神様が〉

 歩夢くんの死後、動揺した丹羽は、知香に土下座をして謝ったという。その傍らには石井の姿。8月29日の被告人質問で、知香はこう振り返っている。

「その時に丹羽さんから言われたのが、『歩夢を殺そうとか、そういうつもりでやったんじゃない』『痛い思いをすれば分かるんじゃないかと思った』と」

丹羽洋樹被告

 法廷でも、自称保育士の石井が指示する暴力行為を「躾」と思い込んでいたと釈明した丹羽。事件当日、歩夢くんは丹羽から床に叩き落とされた後、意識を失った。土下座シーンの前に、石井が知香を懐柔していたことも法廷で明かされている。

「事前に、石井さんから『わざとじゃないのは分かってるよね』、(丹羽には)『大丈夫ですと言ってあげてね』と言われていました。なので、土下座された時、私も『大丈夫です。分かってますから』と返事をしました」(知香証言)

 当日の暴行を誘発し、119番通報を拒み、歩夢くんの遺体を床下に埋めるよう提案した石井は事件後、知香に優しくなったという。

「初めて私をネイルに誘ってくれて、そのネイル代も出してくれたりとか。そういう風に変わりました」(同前)