先日摘発された、名古屋の「頂き女子」詐欺事案は、俗にいう違法な情報商材紛いや売春斡旋の組織的事件とは異なり、ある種の魂の叫びすらも感じさせる「カネの欲しい女」と「『おぢ』と呼ばれるどうしようもない非モテ中年男」との需要と供給のバランスの上に成り立ち、さらにカネを貢ぐおぢの特質をこれでもかとエグっています。
カネを貢ぐ傾向にある「おぢ」にあたる非モテ中年男性とは、頂き女子のマニュアルをそのまま引用するとこんな人たちです。
1. 人生に夢や目標、生き甲斐がない
2. 仕事場と自宅を往復するだけの生活で、友人も恋人もおらず、趣味もないのでお金を使わない
3. ファッションに無頓着で女性経験が少ないか、まったくない(童貞)
4. 結婚願望があり、将来に不安を感じている
5. 母親から大事にされたいとか、悩みを聞いてほしいなどの癒やしを求めている
でもこれ、ことさらに書くと「こんな非モテ、生きてるだけでも辛いだろ」
と思う一方、人間誰しも異性関係が持てなくて悶々としていたり、将来に不安を感じて無条件の愛情を欲したりする、人としての弱さを抱くときってあるじゃないですか。
また、若くして親に先立たれて天涯孤独になってしまっていたり、境界知能やら性格的な問題や、病気を患ったりして、孤独を抱えつつも人とのかかわりをなるだけもちたくないと思う男性も、そう少数じゃないと思うんですよ。男ならずも人間誰しも、けがや病気、失業一発で誰でもこういう失意のどん底は経験しうるものです。
かくいう私だって、36歳まで童貞でした
かくいう私だって、たまたま幸運に恵まれて愛する人に巡り合えて子育てに奔走しているけど、ちょっとひとつ巡り合わせが間違えば50代童貞非モテでどうしようもない人生を送っている可能性だってあります。他人の非モテを笑えないし、なんとなれば結婚した後の36歳まで童貞だった私からすれば、ここで例示される「おぢ」は一歩先の崖の下です。