そして、その崖の下の人たちからすれば、こういう女性からカネを巻き上げられるカモとして狙われる対象となっていますから、ほんとこの世に神はいないのかと絶叫したくなるぐらいに辛い社会だってことでしょう。好意を持って接してくれる女性に対してガードを下げてみたら詐欺でした、って人間不信ってレベルじゃない。そういう詐欺を効率的に安全に進めるマニュアルまでできていて、その内容を見ると恐怖すらも感じます。
そのような「頂き女子」マニュアルでは、カモとなるおぢの特徴からおぢとの接触、カネの引っ張り方から揉めたときのアフターフォローまで、オレオレ詐欺同様如何に同情を引き出してカネをむしり取るかというノウハウに特化しています。「こんなんで立件していいのか」と思う一方、事件に立ち会った捜査員が涙ながらに「これはひどい。絶対摘発する」という気持ちを新たにしたりしたんでしょうか……知らんけど。
いままで騙されてきたおぢ達も、その女性経験や社会観の乏しさから騙されたことすら気づかないでいる人が多数なんじゃないかとすらおもうんですよ。
「子どもに教えるのはけしからん」と言いつつ……
今回、この「頂き女子」の詐欺はマニュアルを作成して販売した女性がまず摘発されましたが、それは詐欺幇助であって、そのマニュアルを買い、SNSなどでおぢからいくら巻き上げたか克明に報告したり、自慢して競い合ったりする書き込みなどから、被害全体の構造をどう明らかにするかが捜査の焦点となってきています。「おぢ」と親しくなって嘘の事情を言いカネを巻き上げるマニュアルなのですから、詐欺事件として立証が困難な故意があったかどうかがクリアできる時点で詐欺又は詐欺幇助として挙がるのも当然と言えます。
単に警察庁による詐欺事案としての捜査だけでなく、冒頭に書いた通り売春であってもカネは所得ですから脱税で引っかかる女性も多数出ると見られますし、何より、これらの女性を鵜飼いの鵜として売春させてでも高利のツケ払いを求めたホストクラブの従業員や店長などの経営者も訴追の対象となる可能性があります。
恋愛には健全とされるものなどが教科書のようには存在せず、数学のように正しい解答などない世界です。カネ儲けの具として性が利用され、物事をちゃんと理解できない女の子が売春したり詐欺で得るカネを、結果的にホストクラブがかき集めるのは反社会的であると言えます。さっさと構造を明らかにして摘発しちゃいなよと思う一方、これはもはや社会問題であって、性の多様性とか語る以前にホストクラブのような風俗営業の在り方そのものを適切な方法で規制するべきなのではないかとも思います。
また、これらの社会状況は概ね男性と女性の性的関係と、それが社会的にどうあるものなのか、そして結婚し子どもを産み育むということはどういうものなのかを教える必要があるのでしょう。性教育というと「セックスはどうやるのかを子どもに教えるのはけしからん」と言いつつ、正しく教えなかったら、誰から、どうやって学ぶのでしょう。
中出しの結果、経済的に成り立たない若い女性が妊娠してしまうリスクや、ダメ男に捕まってしまうとシングルマザーになって厳しい貧困の中で暮らす恐れがあること、また女性には妊娠適齢期というものがあって生物として少なくとも35歳ぐらいまでには安全に出産することが宿命づけられていることなど、そういう幸せに生きていくために不幸にならないようにする知恵を授ける必要があると思うのです。