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日本バスケを改革したホーバスHCの“3つの柱”

 バスケの“日本化”に成功したからである。

 その立役者が、トム・ホーバスHC(ヘッドコーチ)だ。選手としても日本でプレーした経験のあるアメリカ人指揮官で、独特の日本語を操る。東京五輪で女子の日本代表を率いて2位になり、史上初のメダル獲得に尽力したコーチだと言えば、ピンと来る人も多いかもしれない。彼はその実績を買われ、東京五輪後に男子の代表HCへと転身した。

 彼が手がけたバスケットボールの日本化には以下の3つの柱がある。

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 1 世界一の運動量
 2 世界に通用するスピード
 3 役割の明確化

 このうちの「1」と「2」は体格に恵まれない日本人が、いわゆるフィジカル能力で世界に遅れをとっている現状を認めたところからスタートしている。まず、その「1」から順を追って見ていこう。

 ホーバスHCは大会前からこんなスローガンを掲げていた。

「世界で最も走るチームを目指しマス!」

 バスケの世界では「質」と「量」の掛け算で勝負が決まるとよく言われている。これはフィジカルと運動量の問題にもあてはまる。世界的に見て、体格に恵まれない日本は身体の「質」では劣っている。

 しかし、運動「量」でハンデをカバーできれば世界と対等に勝負できると指揮官は考えた。

 例えば、日本は最初の4試合では全て、世界ランキングで格上のチームと戦った。その全てで、後半のスコアだけを見れば相手を上回った。その理由を、チーム唯一のNBA(世界最高峰のアメリカのプロリーグ)プレーヤーである渡邊雄太はこう語っている。

「体力がお互いにある時間帯は、地力の差が、多少なりとも出てしまうこともあると思います。ただ、自分たちは練習を他のチームよりメチャクチャ(多く)やっている分、後半は体力で勝っていけると思います」

 実は今回の日本代表はかなりの練習量をこなしてきた。まず、1日あたりの練習時間が普通よりも長かった。そして、特筆すべきは、強化合宿の期間の長さだった。