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 日本の強みは、世界に通用するスピードだからだ。

 富樫も河村も、ともに日本のBリーグを代表する選手なのだが、彼らの武器はスピードにある。そのスピードに加えて、富樫であれば精度の高い3Pシュートの能力を、河村であれば多彩なパスの能力を持っているから活躍できる。

 チーム最年長33歳の比江島慎という選手がいる。8月31日のベネズエラ戦で、最後の7分余りの時間で17得点を一人で記録して大逆転劇の主役となったベテランだ。過去のW杯や五輪などの国際大会で10連敗を喫した屈辱の経験を持つ比江島は、過去との比較からこう話している。

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他国から絶賛された日本人の敏捷性


「今回は、(日本代表が)スピードで勝負するというのを徹底してやっているので。(そのスピードを活かして相手の守備の)小さいズレから、大きいズレを作るんです」

 実は、このスピードについては、サッカーの世界でも日本人の優れている能力として評価されている。昨年のサッカーのW杯で日本は優勝経験国を2度も破るサプライズを起こしたが、世界各国に絶賛されたのがスピードだった。

 もちろん、長所がスピードだという意見に対して、「本当にスピードが武器であるのなら、日本人から陸上競技の短距離走のメダリストが出ないのは何故か?」という反論が必ず出る。その答えはシンプルで、サッカーやバスケのような球技では長い距離を走るスピードはそこまで必要ではないからだ。

短い距離をすばしっこく動き回るスピード、すなわち敏捷性が求められるのだ。日本人は敏捷性に優れており、その優位性を活かしたのが今回の日本代表だった。

 そして、最後の3つ目が、「役割の明確化」だ。