TBS系日曜劇場『VIVANT』で、主人公・乃木憂助(堺雅人)の上司・宇佐美部長役を好演した歌舞伎俳優の市川猿弥(56)が、「週刊文春」の直撃取材に応じ、ドラマ出演の経緯や、市川猿之助の自殺ほう助事件に揺れる澤瀉屋(おもだかや)の今後について語った。
『VIVANT』の原作・演出を手掛けた福澤克雄監督と言えば、『半沢直樹』シリーズで市川猿之助や香川照之(市川中車)ら歌舞伎俳優を起用し、大きな話題を呼んできた。だが、猿之助は両親の自殺を手助けしたとして自殺ほう助の罪で起訴され、香川も性加害報道などで地上波への起用が難しくなっている。そうした中、『VIVANT』に出演し、“ポスト猿之助”として注目を集めているのが、同じ澤瀉屋の市川猿弥なのだ。
「猿弥は、3代目猿之助(現・猿翁)のお弟子さんです。善人から敵役、三枚目と何でもこなせる立役で、時には女方を演じることも。脇役として、今も歌舞伎界では5本の指に入る力を持っています」(歌舞伎関係者)
ドラマの世界でブレイクを果たした猿弥は今、どのような胸中なのか。「週刊文春」は9月1日午後、自宅を訪ねたが、夫人が「京都・南座に出演していまして、不在なんです」と応対。9月3日午後、京都・南座での舞台を終えた猿弥に話を聞いた。
「福澤さんだったら出てもいいかなって」
――猿弥さん、「週刊文春」です。
「あ、うちに来た文春さん? なになになに? 4代目(猿之助)のことだったらダメだよ~」
――『VIVANT』のことで。ドラマの反響は?
「登場のインパクトが強かった分、『観た観た』と連絡が。でも5話までの登場だから(笑)」
――ドラマの方も頑張っていく?
「いやいや。ドラマ系の事務所に入っている人もいるけど、僕は入っていないし。でも、来るもの拒まずというタイプなので。あとは、松竹さんがOKを出してくれれば出ようかなと思っています。福澤さんだったら出てもいいかなって。監督にも『もう監督の芝居にしか出ないです』って言いました。『何言ってんだ、お前』みたいな感じでしたけど(笑)」