4 行動はつねに30分前
ちょっとここで銀座こぼれ話を。ホステスの同伴ってあるじゃないですか。お店によっても多少異なりますが、ヘルプの子は通常、7時半出勤。えらくなると8時出勤がルールなんですが、同伴する場合は8時半の出勤が認められます。同伴では、お鮨や割烹などフルコースをいただくことが多いので基本2時間かかります。そうすると平均的に待ち合わせ時間は6時になります。6時に出てこられる方って会長クラスやご自身で会社やっている方なんですね。
以前わたくしがびっくりしたのは、週刊誌にも登場するような芸能事務所の大物社長、1兆円規模の投資運用を任されている世界的なファンドマネージャー、おふたりは超絶的に忙しいにもかかわらず、どちらも約束の30分前に到着されていたことです。ホステスの私にたいしても常に礼儀正しくされていましたし、待ち合わせひとつにも礼を尽くしてくださいました。身が引き締まる思いになりましたし、相手を立てることの意味を肌感覚で学ばせていただきましたね。
仕事ができる方ほど、目下の人間に丁寧に接していることも知りました。えらい人にはちゃんとするけど、役職のない方や掃除のスタッフには挨拶しないようなビジネスマンもいらっしゃいますが、トップの方ほど黒服の名前まで覚えてきちんと接するような丁寧さがあるんですよね。それまでのわたくしは目上の方には早めに行こうとか、いつもの友達なら多少遅刻してもいいやといった感じがあったんですが、一念発起して遅刻グセも直しましたし、自分が敬うことで人からも敬われる、人生のいちばん大切な法則のようなものも学ばせていただきました。
30分前に行動すると、相手への敬意のみならず、気持ちのゆとりからさまざまないい気が生まれます。急いで赤信号を渡ったり、駆け込み乗車をしなくてもいい。気持ちに余裕があると、道端の花からもよい気をもらうことができますし、階段の前でベビーカーを運ぼうとしている人がいたら手を貸すような善行もできる。一日一善って偽善っぽく聞こえるかもしれませんが、よい気を人にプレゼントするような善行は、偽善でもいいからやったほうがいいんです。お金はかかりません、ちょっとした手間と少しの時間がかかるだけ。30分前行動が、よい気の循環する開運生活の始まりです。