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2 自分から「ノー」と言わない

 仕事のできる人は滅多なことで、自分から「ノー」と言いません。すぐに「それ無理です」とか否定的な態度をとってる人には、まわりが最小限の関わり方しかしなくなり、上司やクライアントが大事な案件を任せなくなるんです。別に「ノー」そのものがいけないと言ってるんじゃないですよ、自分から「ノー」と言わないことが肝心だというお話。

 実はこれってホステスのテクと同じなんです。ホステスは接客中に口説かれる場面も多い。たとえばヘルプの場合、自分のお客さんなら断りやすいけど、ママやお姉さんの大事なお客さんから口説かれたらどうするか? 無下にもできませんよね~。というわけで、サラリーマンの部下の方々も応用できる、かわし方のテクをお伝えしますね。

「今度の週末、温泉行こうよー」と言われたら、こういう場合まず「温泉大好きー♥」と答えておく。決して「行けません」とその場で言わない。温泉好きなことは嘘ではないわけですし。「そうか、温泉好きか」と相手は機嫌がよくなる。昔いったどこの温泉は素敵だったとか楽しく会話をしたあと、「じゃあ今度の土曜はどうだ?」と具体的にこられたら、「んー、スケジュールを見ないとわかんないなぁ」。この程度で洒脱なお客さんなら「やっぱりな」で、空気を読んで引いてくれます。もう少ししつこかったら、その場で断らず、「ちょっと考えてみます」でいい。で、数日してからお店とか学業とかの都合にして、「興味はあったんですが、しばらく都合がつかなくて……」とでも言っておけば、だいたいは相手から「忙しい時期ならまたね」としりぞいてくれます。

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 その場で断らないことってすごく大事で、たとえばどんなに人気のレストランでも、かかってきた電話に「その日は予約でいっぱいです」と断っていると、不思議と客足が遠のいていくらしいのです。むしろ人気店ほど、拒絶の空気は急激に運気を下げてしまう。レストラン業界で人気店を何軒も手がけてきたある名プロデューサーは、「すみません、いっぱいですとは口が裂けても言わないようにする。その日は難しいけれど、翌日なら空いてますとか、今いっぱいですが、1時間後にもう一度お電話いただければ、みたいな言い方をスタッフにも徹底してます」とおっしゃっていました。

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 だから、たとえばクライアントからちょっと微妙な案件を持ちかけられた時でも、いきなり断らずに、まずは賛同。「僕はすごく興味あります。面白そうなお話ですね」と身を乗り出して相槌を打っておく。そして、社に持ち帰ってやっぱりお断りする話だとなったら、「ダメです」という回答だと上から目線になってしまうので、「この条件ならできますが……」と下手に出て、逆に相手からノーと言われるように話をもっていくんです。恋愛も達人クラスだと、別れたい相手は自分からフラずに相手からフラせるでしょ(笑)。

 とにかく「ノー」は相手から言わせるよう、常に下からいくのが運気を下げないコツ。恋愛もモテる男ほど下からくる。「今度もしよかったらお食事していただけませんか?」って。「今度メシいこーぜー」みたいな上から目線の言葉遣い、モテない人ほどやりがちなのでご注意を。かわいい子ほど大事にされるのに慣れてますからね。