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《埼玉本庄5歳児虐待死》事件を主導した‟悪女”石井陽子55歳の‟ウソまみれ人生”「20歳サバをよんでいた」「‟中村葵”なる別人に成りすまし…」《8日判決》

《埼玉本庄5歳児虐待死》事件を主導した‟悪女”石井陽子55歳の‟ウソまみれ人生”「20歳サバをよんでいた」「‟中村葵”なる別人に成りすまし…」《8日判決》

埼玉本庄5歳児虐待死公判#5

source : 週刊文春

genre : ニュース, 社会

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丹羽が借金する際も背後で糸を引いていた石井

 歩夢くんの死から約1時間が経過した18日午後9時頃。丹羽は親友のAさんにこんなLINEのメッセージを送信した。

〈ちょっと助けてほしい〉

 金を無心する内容だった。希望額は20万円。Aさんは「それは無理」と伝えたが、翌日の19日、石井を乗せた車を駆り、本庄からAさんの住む街まで金を借りにやってきたという。その日の朝、歩夢くんの遺体を本庄の家の床下に埋めてきたことなど、Aさんは知る由もない。丹羽は泣きながら次のように釈明した。

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「職場で同僚とトラブルになり、相手を殴って病院送りにしてしまった。『訴える』と言われていて、示談で済ませたい。相手の要求額は150万円で、かき集めたけど、まだ足りない。もし逮捕されたら、出てくるまで待ってほしい」

丹羽被告

 その隣で、石井が切迫感をアシストする。

「足りない分は月々の分割払いにしてもらえるよう、ダメかもしれないけど、相手に頭を下げに行こうよ」

 この時、丹羽と石井は無職。実在しない職場のトラブルをでっち上げ、親友から金を騙し取ろうとしていたのだ。丹羽は石井と交際後、勤めていた会社を辞め、本庄市に転居後はホームセンターなどで働いていたが、腰痛を理由に仕事は長続きせず。これまでもAさんをはじめ、友人たちから「投資詐欺に遭った」などの理由で借金を重ねていた。常に背後で糸を引いていたのが石井である。

6年前の石井被告

20歳サバを読んでいた55歳「老けて見えるなら、白血病の治療の副作用」

 東京都練馬区で育った丹羽は、一般的な家庭の1人息子。中3からラグビーを始め、ラグビー強豪校に進学。高2の時には花園にも出場している。拓殖大学2年の頃にmixiを通じて知り合ったのが「中村葵」と名乗る石井だった。自称「保育士の資格を持つ家事手伝い」で、丹羽の1つ下。つまり、20歳もサバを読んでいたことになる。

石井被告

「丹羽からカノジョとして紹介された石井は『老けて見えるとしたら、白血病の治療をした時の副作用のせい』と言っていました。フェリス女学院を出たお嬢様で、実家は渋谷区の広尾ガーデンヒルズ。父親は会社をいくつも持っている大社長、料理人の祖父は道場六三郎の師匠だったと。丹羽は『俺はこの女と結婚して大金持ちになる』と自慢していましたが、“アオイ”の方は、厳格な父に丹羽との結婚を反対され、駆け落ちして一緒にいるので、実家の資金力は頼れないんだと話していました」(丹羽の同級生)

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