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東山紀之新社長が身体を左右に揺らす時と、前後に動く時の違いは…ジャニーズ会見を分析した臨床心理士が気づいた“意外な心理状態”とは

東山紀之新社長が身体を左右に揺らす時と、前後に動く時の違いは…ジャニーズ会見を分析した臨床心理士が気づいた“意外な心理状態”とは

言葉と仕草を徹底分析

2023/09/12
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記者会見には珍しくマイクは手持ち

 東山氏は藤島氏と違い、会見中は落ち着いた低いトーンの声で話し、大きく表情を変えることもなく、どの質問者にも正面から向き合って質問を受けていた。

東山紀之 ©文藝春秋

 特徴的だったのは、彼らがマイクを握って話していたことだ。このような会見ではマイクはテーブルの上に置かれていることが多い。しかし東山氏は、冒頭あいさつでマイクを右手で握ると表舞台からの引退を告げ、「今後は人生をかけてこの問題に取り組む覚悟であります」と言いながら両手でマイクを握りしめて自らの覚悟を印象づけた。芸能人だけありマイクの使い方はうまい。

ジャニーズ会見 ©文藝春秋

 東山氏の緊張や不安、動揺など感情の動きが透けて見えたのは座り方だろう。最初の質問で名指しされた東山氏は、お尻を動かして身体を左右、前後に動かし、自身のハラスメントについて問われると背筋を伸ばした。不安や動揺が強いほど、身体の揺れも大きくなったのではないだろうか。

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「誤解を招くようなことはあったかもしれない」といい、「そういう問題が起きないようにしていくのが使命」と述べると、身体を大きく左右に揺すった。自身に関する質問では身体を左右に揺することが多く、社長や事務所に関してコメントする時は身体を前後に動かして座り直すという仕草が多く見られた。社長という重責を担っての会見に内心は不安だったのかもしれない。

「(ジャニー氏の)性加害を認識されていたのか、どのような行動を取られたのか」という問いには「恥ずかしながら何もできず、何も行動してきませんでした」「自ら行動するということはできずにおりました」と淡々と答えた。

「恥ずかしながら知らなかった」「噂ぐらいだから確かめようとしなかった」というならわかるが、「何もできず、行動してこなかった」「できずにいた」という表現は、あたかも行動の可能性があったかのような言い方だ。

 その後も一貫して“噂として聞いていただけ”と主張したが、この表現には「見て見ぬふりをしてきた」「否定し続けてきた」というニュアンスが感じられる。行動ができたのに、それを回避し続けてきたことに対する後ろめたさが含まれているような印象だ。

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 東山氏自身が後輩に対して行ったのではないかとされている性加害に対する質問では「したことはないです」と強く否定したが、繰り返し聞かれると「もしかしてしている可能性があるかもしれないし、していないかもしれない」「したかもしれないし、していないかもしれない」と発言がブレた。これでは噂で知っていた程度という発言の信ぴょう性も疑わしくなってしまう。

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