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――ドイツ戦の菅原由勢選手、トルコ戦の毎熊晟矢選手、それに左サイドバックで出場した伊藤洋輝選手の存在は、攻守において重要な役割を担っている感がありました。

松井 サイドバックがインサイドに入っていく動きだったり、起点になるようなサッカーは世界のトレンドでもあります。サイドバックの動きを見ているとクロスを上げるのはもちろん、ボランチの横について、ボランチ的な仕事をするプレーが出来ていた。戦術的な理解度が進んでいるし、それを見ると森保監督のチームとしての積み重ねが出来ているのかなと思いますね。

――ドイツ戦では、2列目は三笘薫選手、鎌田大地選手、伊東純也選手というユニットでした。トルコ戦は、中村敬斗選手、久保建英選手、堂安律選手でした。それぞれ個性が異なるユニットで、対戦相手によってうまく使い分けているような感じでしたね。

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松井 ドイツ戦での3人はカタールW杯でも一緒にプレーしていましたが、それぞれが単独で突破できるタイプ。トルコ戦の久保選手、堂安選手は左利き同士で、右サイドや真ん中から昔の(本田)圭佑と(香川)真司を彷彿とさせるようなワンツーを見せたり、3人目を使ったり、テクニックで打開していくユニット。久保選手はドイツ戦、トルコ戦で得点に絡んだし、周囲と連携した動きがすごく良かった。この連動も代表に必要なこと。

 今後、このユニットを組み直したり、トルコ戦の中村敬斗選手のように新しい選手が入ってくれば、よりよくなる可能性がある。これが完成形ではなく、森保監督はまだもうひとつ先を見ていると思います。

カタールW杯でドイツに勝利したときの日本代表 ©JMPA

人材不足が叫ばれるセンターFWで期待する選手

――カタールW杯の時もそうでしたが、センターFWの人材不足が日本の課題とも言われていましたし、今もヴィッセル神戸で活躍している大迫勇也選手の代表復帰を求める声が大きいです。センターFWの評価はいかがですか。

松井 古橋(亨梧)選手は、裏への動きなどは素晴らしいですが、少し気負っているのかなと。冷静にプレーしていけば必ず点が取れると思います。上田選手は、ドイツ戦で1点決めましたし、ポストもできていた。GKと1対1の場面で外すシーンもありましたけど、FWとしての役割は果たしていたと思います。

 大迫選手が替えの利かないFWみたいにずっと言われていますけど、今回の上田選手を見ていると、代表に入る度によくなってきていますし、フェイエノールトで結果を残していけばさらに重要な存在になっていくでしょう。他では町野(修斗)選手に期待したい。185cmの大きな体を持ち、スピードもある。W杯で世界と戦うためには、彼のようなサイズのセンターFWがいないと勝つのが難しくなっていくと思うので、欧州で成長して代表に戻ってきてほしいですね。