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「野球を勉強し直してこい」選手も職員も記者も叱り飛ばす

「確かに、野球理論は卓越していますが、つたない質問をした記者には『お前、そんなことも知らんのか、おおん?』と言い放つ。『野球を勉強し直してこい』と。勉強不足の記者が増えてきたのは事実ですが、機嫌が悪いと取材を拒否するし、批判的な記事を書いたら『何もしゃべらんよ』と答えてくれなくなります。記者との衝突もお構いなし。オリックスの監督時代(2010年~2012年)は、番記者の総とっかえを要求したこともありました」

オリックス監督時代 Ⓒ文藝春秋

 無論、矛先は選手やコーチ、球団職員にも向けられる。

「選手が凡ミスをすれば、主力であっても『やる気あるんか』と説教が始まる。コーチに対しても同様で、投手コーチの安藤優也などは、𠮟責されて顔色を失くしていることもしばしば。 “俺様体質”は前政権時代からで、遠征の際、球団の広報担当者が先に新幹線に乗って座席に座っていると、『監督の俺より先に座ってるとはどういうことや!』と激怒したのは有名な話です。その担当者はノイローゼになって異動したそうです。とにかく監督の自分が一番偉いと思っているタイプ。他にも、新幹線移動は日差しの当たる席を取ると怒られる。“取説”が細かくて大変なんです」(同前)

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コミュニケーションでも“守り重視”で、友達は少ない

 今季早々に優勝を決めた岡田阪神は、今のところリーグ最少失点(9月15日現在)。攻撃面では選んだ四球数が12球団トップと、手堅く守り勝つ野球を実践してきた。コミュニケーションでも守り重視、相手の隙を突くのが岡田流だという。

「岡田さんはまず相手にしゃべらせてから、『そこは違うやろ』とネチネチ問い詰めていく。自分の言葉に責任を持たせるという意図があるようですが、ややサディスティックなスタイルですね。友達は少ないです」(運動部デスク)

岡田監督 Ⓒ時事通信

 一方で、こんな笑い話もあるとか。

「前監督時代、ある投手が肩に違和感があると訴え出たところ、岡田さんは『そんなんプロやったら、みんなどっかしら違和感なんてあるわ。そもそもお前、“違和感”って漢字で書けるんか』と。その投手は漢字を書けず、岡田さんが『漢字も書けへんのに、違和感なんて言葉使うな』と一喝。岡田さん自ら違和感の漢字をその場で書いてみせたものの、その字が間違っていたらしいんです(笑)」(同前)