ともあれ、就任1年目で阪神をリーグ優勝に導いた岡田監督。「来年もやる」と続投を明言したものの、
「現在、球界最年長の監督。年齢的に、シーズン中の移動がかなりしんどいと漏らしている。以前は酒豪で鳴らしたものだが、いまは健康面を気遣い、酒量も抑えている。40代だった第一次政権時代に比べれば、体力の衰えは明らかです。阪神とは2年契約ですが、来季の指揮を執った後は、勇退してGM就任を思い描いているようです」(球団関係者)
現場の人望は乏しいが…
岡田監督の立ち位置も有利に働く。
「球団の親会社は、前回優勝の翌年2006年、大手私鉄2社が経営統合した阪急阪神HDになりましたが、岡田さんは球団内では阪急派。昨季オフ、それまで球団経営の実務を取り仕切ってきた阪神電鉄出身の谷本修オーナー代行は、当初、矢野燿大前監督の後釜として平田勝男・現ヘッドコーチを据えようとしていたのですが、阪急電鉄のドンだった角和夫・阪急阪神HD会長のトップダウンで、岡田さんの再登板が決まりました。角会長と岡田さんはともに早大卒で昵懇の仲でした。また、今季から就任した杉山健博オーナーも阪急出身者。事実上の“阪急タイガース”で、今季の独走優勝は、グループ内の阪神陣営の敗北を意味します。結果を出した岡田さんの影響力はますます高まるでしょう」(同前)
将来的なGM就任に花を添えるのが、岡田監督が中軸打者として活躍した1985年以来となる球団史上2度目の日本一だ。
「日本一監督の称号は何としても欲しいところでしょう。また、監督としてリーグ制覇はまだ2度目。名実ともに名将の仲間入りをするには、あと1回は“アレ”を決めたいところです。阪神でチームを3度優勝させた監督はおらず、気は早いですが、来季、球団初の連覇を果たせば、これ以上の花道はない」(同前)
現場の人望は乏しいが、野望は広がるばかりなのである。