またあの男がやってくれた。連戦連勝中の東京大学に在籍するクイズプレイヤー4人の「東大王」チーム。圧倒的強さを誇っている。これに立ち向かうのが、人数が3倍の12人というハンディキャップを受けた芸能人チーム。2月25日の放送では、辰巳琢郎率いる高学歴芸能人12人が、東大王チームに挑んだ。
ファイナルステージは1対1、または1対2の早押しクイズの勝ち抜き戦。東大王は、それまでのステージで一度敗れたため3人で12人を勝ち抜かなければならない。
東大王残り2人、芸能人残り7人になったところであの男が登場した。オードリーの春日俊彰である。
「本日のクライマックスでございます!」といつものように胸を張る春日に司会の山里亮太は「イヤ、違います」とツッコむ。それはそうだ。まだ芸能人チームは半分も残っている。だが、その春日の言葉が現実になってしまうのだ。まず春日は音楽が得意な伊沢拓司に音楽問題で勝利。東大王は最後の1人・水上颯を残すのみになる大ピンチに。まさにクライマックスが訪れたのだ。だが、この水上、前回も12人抜きをやってしまった男。「もう終わらせよう」という春日だが、まさか本人もそうなるとは思っていなかっただろう。
「森鴎外!」
春日が答えると、一瞬の沈黙の後、正解の音が響き渡った。春日といえば今年、『得する人損する人』(日本テレビ)で東大受験に挑戦したが失敗。そのリベンジをこんな形で実現してしまったのだ。東大受験でも、「もしかして」と思わせる成績を残していたし、部族の村に行けば、そこに溶け込み部族に勝ってしまうし、競技に挑戦すれば、世界大会でメダルを取る。本当に“何か”をやってくれる男だ。いつだって驚く結果を見せてくれる。お笑いの定石では春日のようなビッグマウスキャラは無残に失敗して笑いに繋げるものだが、彼の場合、実現もできてしまうからスゴい。不思議なことに成功しても失敗しても「春日らしい」と賞賛される。もはや無敵だ。何より、その自信満々な振る舞いの中に、気の弱さと人間味が溢れ出ているからこそ、誰からも愛されるのだ。
「ちょっとこれ、大丈夫ですか……?」
東大王があっさり敗れるスタッフ想定外の展開でスタジオが微妙な空気になると、春日は不安げな表情を浮かべながら言った。その可愛げには誰も敵わない。
▼『日本の頭脳No.1決定戦 東大王』
TBS 日 19:00〜20:54
http://www.tbs.co.jp/toudaiou-TBS/