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認知されないために取った「秘策」

つづ井 はい。それが一時認知されかかってしまって。だいたい同じような席で見てますからね。「あれ、私目線もらってない?」と思って。念のため1回友人についてきてもらったら「めちゃくちゃ目線合ったよ」って言われて。それから髪型も服装も変えて絶対認識されないようにしなきゃって(笑)。

宇垣 私も認知されたくないですね。私、マ・ドンソクという韓国の俳優さんが好きなんですけど。ラジオなどでマブリーのことを積極的にお話しできるのは、外国の俳優さんだと、「なんでもない1人のファン」になれるからなんです。日本の方だと知ってくださって認知される可能性が高いかもなと危惧していて。

 サイン会みたいなのでちらっと会うぐらいだったらいいんですよ。ただ、個人を把握されたくはない。

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つづ井 私の場合、認知されたくない理由はエゴで。もし認知されると、一方的に応援している状態じゃなくて相互の人間関係になってしまう。推す責任が生じてしまうと100%「好き」の気持ちで推せなくなりそうで。

宇垣 エゴというよりは、自由さがなくなっちゃう気がしますよね。だから私も本当はラジオで推しの話をすることに躊躇があります。でも、私が推しのためにできるのはマスで話すことだからと、自分を納得させています。

 例えば舞台の話をするときは、本当の推しが分からないように複数の方のお名前をあげて、作品の良さを伝えるようにしているんです。

※「推し」のいる人生や、近年の「推し活」の変化について語った対談の全文は、『週刊文春WOMAN2023秋号』でお読みいただけます。

うがきみさと/1991年生まれ。2014年TBSに入社。2019年退社後、オスカープロモーションに所属。現在はフリーアナウンサー・俳優として、ドラマ、ラジオ、雑誌、CMのほか、執筆活動も行うなど幅広く活躍中。著書に『宇垣美里のコスメ愛』(小学館)、『愛しのショコラ』(KADOKAWA)。

つづい/一介のオタク。元気で楽しそうな姿がX(旧ツイッター)で評判を呼んでいる。デビュー作『腐女子のつづ井さん』は「第20回文化庁メディア芸術祭」マンガ部門審査委員会推薦作品。東京で一人暮らしをはじめたつづ井さんの新発見てんこもりライフを描いた新シリーズ「とびだせ! つづ井さん」をCREA WEBで連載中。

写真=鈴木七絵