1988~1989年、日本中を震撼させた「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」。4人の幼女を殺めた宮崎勤が最期に語った言葉とは……。
戦争責任者、テロリスト、大量殺人鬼など、大罪を犯し死刑判決を下された古今東西238人が死を前に残した台詞、辞世の句、遺書などから印象的な文言を集めた1冊『死刑囚238人 最期の言葉』より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む)
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宮崎勤の最期
【東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件 宮崎勤】
「あのビデオ、まだ途中だったのに。」
死刑確定:2006年2月1日
執行:2008年6月17日(享年45)
処刑地:東京拘置所
1988年から1989年にかけ東京都や埼玉県で4歳から7歳までの幼女4人を殺害、その遺骨を遺族のもとに送り付けるなど残虐非道の行為を犯したにもかかわらず、宮﨑は自分に下された死刑に怯えていた。
刑確定後の2006年、雑誌『創』の編集長に宛てた手紙には「踏み板がはずれて下に落下している最中は、恐怖のどんぞこにおとしいれられるのである」と絞首刑を批判。
2007年の書簡には「私は刑執行時は死の恐怖とたたかわねばならなくなるから、反省や謝罪のことなど全く考えられなくなる」とも記していた。
そんな身勝手な精神状態のなか、宮﨑の唯一の楽しみが独房でのアニメビデオの鑑賞で、スタジオジブリの作品がお気に入りだったという。
上記の言葉は、執行当日、迎えにきた刑務官に連れられ刑場へと向かう廊下で言ったとされるもの。死刑の現実から逃れるため、宮﨑はアニメビデオに逃避し、全ては空想の出来事と思い込もうとしていたのかもしれない。