消費者金融で総額300万円以上の借金
外出時の散財を補うためか、隊内で「金銭トラブル」を起こすこともあったという。
「一度、小野さんが忘年会の幹事をしたことがあるんです。会費で5000円を払ったのにご飯が全然出てこない。『どうなってるんだ!』と先輩が怒りましたが、どうやら5000円より安いプランにして残った金を懐に入れていたようなんです。本人は『店が悪い』『むしろ赤字なんだ』と言い張ってましたが……。
こうした会が開かれた時には、翌日に幹事が上官に領収書を提出することになってましたが、小野さんはそれも拒否し、先輩が怒っていましたね」
そして小野容疑者の陸上自衛官時代は “失踪”という形で幕引きとなったという。
「消費者金融で総額300万円以上の借金をつくっていたことが、隊内にバレたんです。当時はまだ自衛隊も厳しかったですから、『全部返済するまで外出はさせない』と、返済計画書まで作らされていました。
それが苦しくなったのか、唯一、外出が許された正月かお盆に基地を出て、そのまま失踪してしまったのです。みんなで探しましたが、実家など足がつくところにはおらず見つからなかった。その後、ある日どこかから小野さんの身分証明書が郵送されてきて、正式に“除隊”となりました」
最近まで小野容疑者に会っていた女性たちの証言では、「人の役に立ちたい」というのが口癖だったというが、小野容疑者が自衛隊員になった動機はそんな高尚なものではなかったようだ。
「小野さんから『お国のために』なんて言葉は聞いたことがありません。自衛隊に入ったのは『生活のため』だったんでしょうね。階級は3曹で終わってますが、なれるはずもないのに『もうすぐ2曹になるはずだ』と自分を買い被っていました。
多額の借金がバレた後も、自分は優秀だと勘違いしている感じでした。自分の世界や価値観の中で全てが完結していて、全く周りが見えていない。ボスニアの紛争に傭兵として参加したとツイッターに書いていたそうですが、『自衛官も務まらなかったやつがよくいうよ』というのが、正直な感想ですね」
「心優しき死神でありたい」とツイッターで綴っていた小野容疑者。周囲には「3年前に2人殺した」とも語っていたというが、こればかりは彼の“ホラ”だったと信じたい。
道警は、小野容疑者の余罪についても慎重に捜査を進めている。
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