2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けた日本代表の次期監督に井端弘和氏(48)が就任する運びとなった。任期は来年11月のプレミア12までで、WBC本番の監督を1年後に選び直すことが前提の“暫定政権”のようだ。

 そしてWBC本番の本命は、2009年のWBCで優勝経験がある現巨人の原辰徳監督(65)だという。

原辰徳監督 ©時事通信社

「代表監督就任を名目に身を引いてもらう」というプラン

 今年の春、栗山英樹前監督(62)が大谷翔平(エンゼルス)を中心としたチームで世界一に輝いたことで、侍ジャパン監督のハードルは一気に上がった。栄誉あるポストではあるが、うかつに引き受ければ火中の栗を拾う羽目になる。

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 元大リーガーのイチロー氏(49)や松井秀喜氏(49)をはじめ、多数の候補者の名前がメディアを賑わせては消えた。一部で就任が報じられた工藤公康氏(60)のほか、古田敦也氏(58)、高橋由伸氏(48)、松坂大輔氏(43)、ロッテの吉井理人監督(58)らは就任の打診に難色を示したという。複数の球界関係者によれば、原監督も打診を受けて断った1人のようだ。

工藤氏はWBC中も解説で活躍 ©時事通信社

 原監督の2度目の代表監督就任を主導したのは、日本野球機構(NPB)ではなく、巨人の親会社である読売新聞社だったという。これまでも読売は、WBC日本ラウンドの主催者として代表監督人事には強い影響力を保持してきた。さる球界関係者が明かす。

「読売は原さんを代表監督に就ける道を模索していました。というのも、シーズン中盤に巨人は優勝の目がほぼなくなり、もしBクラスに沈めば同一監督では球団史上初の2年連続になる。しかし原さんはチームが不振の時期に三顧の礼で招いた功労者でもあり、契約が2024年まで残っているので解任も難しい。そこで出たのが『代表監督就任を名目に身を引いてもらう』というプランだったんです」

 振り返ると、2009年のWBC代表監督選考も難航した。最終的に原監督が「全日本の監督は名誉なこと。たらい回しされるようなことではいけない」と男気で引き受けた経緯がある。

 しかし、今回は首を縦に振らなかった。