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青嵐と呼ばれる5月の悪天候が過ぎた。
晴れた。窓にスズメの影が映った。
私の中で何かが変化した。熱いかたまりが湧いてきた。凶暴といってもいいような、放っておくと自分が破裂しそうな情熱。
ヒグマの前で丸裸に
私は着ているものを脱いだ。
丸裸。
股間が、なんとなく頼りない感じがした。
そして大の字になって寝た。
――さぁ、どうとでもしてくれ。
クマが近づいてきた。まず、足の裏からにおいを嗅いだ。次に股間。もし大切な部分をガブリとやられたら……。
クマは、すぐにへそのほうへと鼻先を向けた。あるか無きかの、男の小さな乳首を舐なめた。そして、私の脇の下へ首を突っ込んできた。舐めた。しつように。皮膚が痛くなるほど。低い声で、くくくく、と鳴いた。
この日以来だ。クマが心を開き始めたのは。
そして、私の体が、動物寄りに変化したのは。