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 青嵐と呼ばれる5月の悪天候が過ぎた。

 晴れた。窓にスズメの影が映った。

 私の中で何かが変化した。熱いかたまりが湧いてきた。凶暴といってもいいような、放っておくと自分が破裂しそうな情熱。

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ヒグマの前で丸裸に

 私は着ているものを脱いだ。

 丸裸。

 股間が、なんとなく頼りない感じがした。

 そして大の字になって寝た。

――さぁ、どうとでもしてくれ。

第一章 ヒグマのどんべえと暮らした日々 「噛まれて咬まれて」より(イラスト:本人)

 クマが近づいてきた。まず、足の裏からにおいを嗅いだ。次に股間。もし大切な部分をガブリとやられたら……。

 クマは、すぐにへそのほうへと鼻先を向けた。あるか無きかの、男の小さな乳首を舐なめた。そして、私の脇の下へ首を突っ込んできた。舐めた。しつように。皮膚が痛くなるほど。低い声で、くくくく、と鳴いた。

 この日以来だ。クマが心を開き始めたのは。

 そして、私の体が、動物寄りに変化したのは。