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 梅澤本人はこの際、取材に対し「メニューの表記と違う食材を使用していたのは事実」としたうえで、「仕入れ先の卸業者を変更したりするなかで、店主の私がそのズレを把握できておらず、開店当初のメニューを使用し続けていました」と産地偽装の理由を釈明。

 給料の支払い遅れについても事実関係を認めたうえで、「約250万円の売上を当時の従業員の1人に持ち逃げされたことがあり、手元にお金が無くなってしまって支払いが遅れていました」と説明していた。

『生ゴミの臭いがするから何とかして欲しい』不動産会社に苦情が

 一連のトラブルが発覚したにもかかわらずやはり人気は根強く、多くのファンに支えられ、ようやく堅実な経営者としての一歩を踏み出していくと思われた矢先の「臨時休業」。

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 取材班が「麺匠 八雲」を訪れると、腐敗した食品の臭いなのだろうか、風にのって店舗前の歩道にまで悪臭が漂ってきた。臭いのもとを辿ると、店舗外に備え付けられ、グレーのビニールシートがかけられた箱から悪臭が発せられていることが分かった。

八雲の店舗外にある冷蔵庫らしき箱。異臭がひどい ©文藝春秋

 店舗を管理する不動産会社の担当者が困惑した様子で話す。

「実は近隣の方から、9月下旬になって『生ゴミの臭いがするから何とかして欲しい』と苦情が寄せられているんです。私たちも店に実際に足を運んでみたのですが、外に置かれている冷蔵庫のような箱からの臭いが確かにキツくて。

 休業して電気もついておらず誰もいないし、どうしようかと思って梅澤さんに電話してみたんですけど、電波がつながらないか電源が入っていないとアナウンスが流れるばかりで、連絡がつかないんですよ。

 でも私たちが勝手に店に入ったりするわけにもいかないし、どうしたらいいのか困り果てておりまして……。このまま立ち退いてもらうにしても、鍵も返してもらっていませんからね」

八雲の休業を伝えるツイッター

実質的な経営者、古川氏が警察沙汰を起こしていた

 休業の理由として、考えられるのは店の“影のオーナー”と評される、古川博一氏の存在である。元従業員の証言によると、古川は業者との取引窓口となるなど「実質的な経営者」として、経営に関与していたとされる。