「プランA」では、現在のジャニーズ事務所という1つの会社を、補償を担う会社とマネジメント業務を担う会社の2つに分割したに過ぎません。社名や組織形態が変わるものの、実質的には現在と何も変わりません。いわば現状維持です。
数年後、大手企業は「プランA」の新会社とCMなどの契約を結ぶでしょうか。オウム真理教がアレフと名称を変更しても公安・国民が警戒を解かないように、企業は新会社を警戒し、敢えてリスクを取って契約を結ぼうとはしないでしょう。
「日本人は忘れっぽいから、2年も経てばほとぼりが冷めるのでは」と思うかもしれません。しかし日本人は忘れても、外国人株主はしっかり覚えています。現在の体制を維持する「プランA」では、大手企業との契約が復活せず、新会社はジリ貧になるはずです。
そこで、ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)や喜多川一族が新会社の株式を保有せず、喜多川一族や所属タレントが経営陣に就任しないという体制が考えられます。「プランB」としましょう。いわば解体的な出直しです。
「プランB」では、ジャニーズ事務所は消滅し、無関係な新会社が誕生するので、大手企業が新会社と契約を結ぶ上での障害はありません。一方、あえて新会社と契約を結ぶ必要性もまったくありません。
今回のジャニーズ事務所の混乱を好機と見て、同業他社が顧客拡大に動きます。岡田准一がジャニーズから退所したように、有力な所属タレントが流出し、新会社は弱体化していきます。
魅力がなくなった「プランB」の新会社が契約を取るのは困難で、厳しい経営が予想されます。最終的には解体に向かってもおかしくありません。
ジャニーズはどの道を選んでも「前途多難」
以上から、今回の社名変更・組織再編は極めて妥当な判断ですが、これからジャニーズ事務所を維持しようとしても(プランA)、解体的な出直しをしても(プランB)、いばらの道しか待っていないということです。
あと、可能性は低いですが、東山紀之社長がこうした厳しい状況を認識し、所属タレントを同業他社に移籍させて、新会社の運営を諦めるという「プランC」もあります。自主廃業です。
いずれにせよ、ジャニーズ事務所という巨人が衰退もしくは消滅し、芸能界は大きく変わっていくはずです。どうせ変わるなら、芸能界とマスメディアの関係などを含めて、国民にとって良い方向に変わっていくことを期待したいものです。
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