逮捕直前までいつもと変わらず、何食わぬ顔で暮らしていた
「いつも1人でしたし、祖母とすら一緒にいるのを見た事がありません。この1年は朝8時半ぐらいからウロウロしていて、その後昼も夜も家にずっといる様子でした。渡部容疑者は父と姉が家を出て、少し離れた集合住宅に母と2人で住んでいたようですが、最近は祖母宅に住み着いていたのではないでしょうか。
親戚が東京にいるようで、祖母も家にいる頻度は多くなかったと思います。渡部容疑者はちゃんと仕事をしている様子はなく、正直引きこもりか何かだと思っていました。内向的な性格で、いつも伏し目がち。猫と遊んでいても、私と外で目があうと家の中に引っ込んじゃうんですよ。あんな事件を起こしておきながら、逮捕直前までいつもと変わらず、何食わぬ顔で暮らしていましたよ」(同前)
渡部容疑者と植木さんが出会ったのはどのような経緯からだったのだろうか。
「渡部容疑者の祖母は近所付き合いがほとんどなかった。渡部容疑者が出入りを始めた3年ほど前からは『身体が弱いし、回覧板を回したりするのも難しい』といって、町内会に“脱退”を願い出ていました。その頃から植木さんに似た男性が、家の前の道路に車を停め、出入りする姿を何度か見かけるようになりました。亡くなった時は70歳というけど、足腰もしっかりしてもっと若々しく見えましたね」(同前)
被害者の植木さんが事件現場から約7km離れた広島市の山間部の一戸建てに引っ越してきたのは2017年のこと。地元広島の中堅私立高校を卒業後、東洋大学法学部を卒業。“老老介護”のかたわら、警備員として働いていた。近隣住民には優しい性格で知られていたようだ。
「植木さんとは話したこともありますが、朗らかな表情で優しい方だなと思いましたよ。認知症がかなり進んだお母さんと2人で住んでいました。ただ、お母さんは徘徊したりすることも多くて、警察が自宅に来ることも頻繁にあった。
事件があった2021年には、植木さんが勤めていた職場から『連絡がつかない』と岩国に住む妹さんに連絡があり、自宅に確認に来たようです。実際に自宅に残っていたのはお母さん一人で植木さんの姿はどこにもなかった。お母さんを放っておくわけにもいかないから、妹さんが岩国に連れて帰ったらしく、それからは表札も剥がされ、空き家になっています。
植木さんには彼女がいるという話は聞いていました。行方不明届を出してから2~3日後に、病院の駐車場で植木さんの車が見つかったという話を聞きましたが、発見したのはその彼女だったようです。運転免許証は自宅に置いたままだったらしく誰が車を運転したのかはわかりませんが……。いずれにせよ急にこんな事件に巻き込まれ、当人も無念だったと思います」(植木さん宅の近隣住民)
遺体を切り刻み海に捨てるという蛮行。一体2人の間で何があったのか。真相の解明が待たれる。
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