ものすごくざっくりではありますが、これが生理のメカニズムであり、先に挙げた「科学的な知識」として生理を知るとはこういうことになると思います。
「科学的な知識」と「相手に関する知識」を入手する
では、もう一方の「相手に関する知識」ですが、これはつまりその人の状態を知るための情報です。生理による影響はとても個人差の大きなものだそうで、ホルモン環境がくるくる変動したり、排出時に子宮内の筋肉が収縮したりと、月経をめぐって体内でいろんなことが起こるわけですが、これに伴い、頭痛や腹痛、腰痛や発熱、下痢や貧血、ひどい眠気や吐き気、さらにはイライラやうつ症状など、身体的、精神的にさまざまな影響が出ると言います。これらは人によっても、また時期によっても異なるため、「生理のときはこうなる」と一概に言えるものではないそうです。となると、仮にメカニズムを理解していたとしても、目の前の女性がどんな状態なのかは直接聞いてみないとわからない、ということになります。これを知るための情報が「相手に関する知識」です。
我々男性は身体的に生理を理解することはできませんが、こういった「科学的な知識」と「相手に関する知識」は入手することができるはずです。それらがあれば、少なくとも会社に来られないほど生理痛がきつい女性に対して「インフルエンザの検査を受けてください」などという心ない言葉は発しないはずだし、たとえ自分が職場を暑いと感じていても、ガンガン冷やす前に「冷房を強めたら寒いですか?」と周囲の女性に聞いてみる姿勢が生まれるはずです(さらに言えば、「寒いです」と言いやすい状況を作ることも大切ですよね)。
まずは想像力の母胎となる知識を学ぶ
これは他のことでも同じで、例えば女性の膣が粘膜で覆われた繊細な器官(口の中と同じような)であることを知れば、相手が痛がるような激しい触り方はしなくなるだろうし、ヒールによって脚にかかる負担のことを想像できていれば、いくらサプライズの企画であっても、服装に関する気づかいをもう少し細やかにできたかもしれません(もっと話を広げれば、会社や社会の制度を設計する立場にある人に十分な知識と想像力があれば、仕事や暮らしの環境もよりよいものになると思うのですが……)。
いずれにせよ、悪気はないのに無神経だと思われてしまったり、それによって苦しめられる人が生まれてしまうのは、男女両方にとって不幸なことであるはずです。そんな事態を防ぐためにも、まずは想像力の母胎となる知識を学ぶところから始めてみませんか?