これまで1200人以上の失恋話や恋愛相談に耳を傾けてきた恋バナ収集ユニット「桃山商事」の代表・清田隆之氏。清田氏は異性愛者の女性から、不可解な言動を無自覚にくり返す男性への悩みを話されることが多いという。女性たちが男性に対して抱えている不満や疑問とは、いったいどんなものなのか?

 ここでは、清田氏が女性たちから聞いてきた「男に対する不満や疑問」の数々を紹介しながら、男性が抱える問題点について考えていく『よかれと思ってやったのに 男たちの「失敗学」入門』(双葉文庫)より一部を抜粋して紹介する。(全2回の2回目/1回目を読む)

写真はイメージ ©iStock.com

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生理痛をインフルエンザだと勘違いされた女性

「私は派遣社員として働いているのですが、生理痛がつらいためと告げて会社を休んだところ、『この季節ですからインフルエンザの検査を受けてください』と電話がありました。電話は、男性上司の指示を受けた新入社員の男性からでした。風邪ではないし、インフルエンザとはまったく関係ありませんと伝えたのですが、『規則ですから』の一点張りで聞き入れてもらえず……頭に来たので人事部にクレームを入れました」

 これは以前、桃山商事が女性向けのウェブメディアでコラム連載をしていた際、読者から「男に対する不満や疑問」をアンケートで募ったときに寄せられた声のひとつです。私は男性で、会社勤めをしているわけでもないので、このエピソードがどの程度あるある話なのかは正直わかりません。単に指示を出した男性上司が女性の生理に理解がなさすぎただけなのか、あるいはさまざまな会社で頻繁に起こっていることなのか、そこは判定できないのですが、この女性が受けた仕打ちは極めてひどいものだと思います。生理だと言っているのにインフルエンザの疑いをかけられ、上司から検査まで強要されるとは……本当に理不尽だし、ある種のハラスメントにすら抵触しかねない問題です。

 しかし、これを高みのポジションから一方的に批判できる男性はどれだけいるでしょうか。というのも、この話の根底には「女性の生理に対する無理解」がありますが、これはおそらく多くの男性に共通するものだと思うからです。

問題の根底にあるのは女性の身体に関する無知や無理解

 生理に限らず、妊娠、つわり、婦人科系のトラブル、美容やダイエット、性にまつわることなど……我々男は女性の身体のことに関してあまりに無知だと言わざるを得ません。他にも女性たちからはこのような事例が報告されています。

・生理で体調悪いときに、職場の男性たちが冷房をガンガンに効かせるのがつらい 

・妊娠していたとき、同僚男性たちが席で食べる弁当やカップ麺のニオイがつらかった 

・彼氏はセックスのとき手や腰を激しく動かす。痛いだけだからマジやめて欲しい 

・夫のマッサージはありがたいんだけど、強さが男性基準だから痛いし怖い

・会社のスケジュールが男性社員を基準に設計されている感があり、モヤモヤする 

 さて、いかがでしょうか。私も生理痛やPMS(月経前症候群)のことを理解しておらず、妻や過去の恋人に不愉快な思いをさせてしまったことが何度もあるので、身につまされます。