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統一教会と聞いて、率直に思ったこと

――その「やばい宗教」がそのうち統一教会であるっていうのが分かるわけですよね。

小川 過去の話をする中で教えてもらった記憶があります。ごく自然な流れでした。

――統一教会と聞いて、率直にどう思われましたか?

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小川 統一教会自体は何となく知っていました。ただ具体的にどういうレベルで何が起きててっていうのは知らなかった。だから、その時も正直ピンと来ませんでしたね。何でもそうだと思うんですが、具体的なエピソードをいくつも聞けば、それは酷いねっていう感覚を共有できるかもしれないですけど、ご両親とまだ話してない状況でなかなか具体的なイメージってつかない。自分が経験していないことだと多くの人はそうなると思います。そこに宗教の難しい教義が入ってくると尚のことで。私自身は無宗教で、これまで宗教というものと特段、縁がある人生を送ってきませんでしたから。

小川りょうさん ©文藝春秋

――「宗教」について相談されたということについては、当時どう感じていましたか?

小川 いや、それがどうも思わなかったんですよね。自分が「親は親だし子どもは子どもだろう」っていう考え方なので、本人が信仰してないんだったら、その辺の人と変わりないなっていうぐらいの感覚でした。単純に宗教2世についての理解が何もなかったし、考え方の影響を受けている可能性があるみたいなところまで深く考えなかったんですよね。深刻に捉えることもなく、ただ軽くもないけど……普通の相談事の一つとして受け取りました。それ以外も特に変わらずで。

統一教会創始者の文鮮明氏と現教団トップで妻の韓鶴子総裁 ©文藝春秋

 当時、彼女はずっと統一教会の教義に沿ってあらゆることを教わっていたので、みんなが当たり前に理解していることを知らないことがままあったんです。それで彼女が僕に何かを相談してきたことがあったんですけど、当時は過去の経緯とかももちろん知らないし、あくまでライブ仲間で恋愛対象としても考えていなかったから、思ったままに「アホか」って言っちゃって(笑)。いやいや、こうだからこうでしょと。後から聞いたら、逆にそれが彼女としては信頼感につながったそうで「そういう叱られ方をしてこなかったから、そこでちょっと信頼できた」と言っていましたね。