10月13日、政府は統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の解散命令を東京地裁に請求した。2022年7月の安倍晋三元首相の銃撃事件を契機に、信者への過剰な献金ノルマなどその実態が社会問題となっていたが、解散命令請求を機に事態は新たな局面に突入した。
統一教会の問題に声をあげてきたのが、小川さゆりさん(仮名)だ。両親が熱心な統一教会の信者という家庭の下で生まれた2世信者である。子どもが本人の意思に関係なく、親の信仰によって望まない宗教活動を強いられる「宗教虐待」などについて自身の経験をもとに強く訴えてきた。
被害者の先頭に立って活動するさゆりさんの横には、いつも1人の男性がいる。小川りょうさん。さゆりさんの夫である。昨年10月7日に日本外国特派員協会で行った会見では、途中、教団側から会見中止を求める通知書が届く場面で、ショックを受けたさゆりさんに代わって、冷静に状況を説明する姿が話題となり、その存在に注目が集まるきっかけとなった。「弁護士なの?」「さゆりさんを洗脳しているのでは?」……こうした声まであがる、小川りょうさんとは、何者なのか。「週刊文春」の単独インタビューに応じた。(全2回の1回目/後編を読む)
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Twitterアカウントは「本人です」
――昨年10月の記者会見で、小川さゆりさんの横に並んでいらっしゃった姿を記憶している読者も多いかと思いますが、こうして個人でインタビューを受けるのは初めてですか?
小川りょう(以下、小川) 例の会見の後にさゆりとセットで取材を受ける機会はありましたが、そもそも自分がメインでっていう話は初めてですね。
――巷ではTwitterアカウント「小川さゆ郎」が、「さゆりさんの夫なのでは」ということで話題になっていました。あのアカウントはご本人でしょうか?
小川 はい、本人です。主張を隠さなきゃいけないわけでもないですが、ただ妻の存在と自分の存在が横並びになっちゃうとよくないかなと思って、プロフィールでも「小川さゆりの夫です」とかは特に書いていません。関わった人にだけ誰かわかればいいかなと。パッと見た人にはなんかいたずらのアカウントに見えますよね(笑)。
ただ、今年に入って収録した番組から改めて「小川りょう」と名乗ることになりました。というのも、妻が収録中に何度も実名の呼び名で「りょうちゃん」とうっかり呼んでしまったので、全カットするわけにもいかず……。Twitterのアカウント名は「小川さゆ郎」のままなんですけどね。