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――小川さゆりさんと両親の問題と、宗教2世の問題は別ということでしょうか?

小川 よく「統一教会じゃなくて、一個人、親子の問題だろ」って言われてるんですけど、僕らがやっていたのは、小川さゆりの家庭をどうにかしてくれってことではなくて、宗教2世の声を集めて「こういう実態があったので解散命令請求をしてください、法整備してください」っていうことなんです。昨年出来た法律も、さゆり云々ではなくて、国に1000人単位で電話相談が来ている被害の声が立法事実になっています。さゆりは先頭に立っていただけで、別に親をどうにかしてほしいとは言っていない。まあ報道の仕方というか、そういうストーリーで見ちゃう人もいるのも仕方ないかなとも思いますが。

妻・小川さゆりに訪れた変化

――この1年弱、「小川さゆり」として活動してきた奥様を見ていて、変わったなと感じることはありますか?

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小川 ありますね。これまでは、果たして本当に自分は正しいのかっていうのをずっと自問自答しているように見えていました。自分の中にあるもので、どれがおかしくてどれがおかしくないのかが分からない。一から整理しなきゃいけないってすごい大変な作業だと思うんです。

小川さゆりさんのYouTube(画像:小川さゆり 元統一教会二世チャンネルより)

 でも、初めてヒアリングに呼んでもらってお願いした時に、議員さんが親身に話を聞いてくれたりとか、その質問に答えてくれたもしくは質問に対して答えたことに肯定的な意見が返ってきた時に、自分の感覚が間違ってなかったんだなっていう安堵感を得ていたように思います。

――さゆりさんとの出会いから現在までを振り返っていただきましたが、小川さんは「宗教」をどういうものだと捉えてますか?

小川 どう答えても正確にはならないと思うんですが、人によって使い方が違いますけれど、人生の目的にするよりは何かの目的のための手段である関係の方が良いんじゃないかなと思います。ただ中には宗教が人生の目的になっている人もいますしそれ自体別に悪いことじゃないんですけど、子どもが必ずしもそれについていけるとは限らない。子どもに対しては、宗教と自分との関係と同じじゃなくて、もう少し客観的な見方で見てあげた方が良いと思いますね。

小川りょうさん ©文藝春秋

 統一教会だけでなく、エホバの証人の2世を見ても結構苦労されている人が大勢いて、これまで見逃されてきた過去があります。メディアもあれだけの被害があっても取り上げてこなかった。僕はその声を拾っていくことこそが本来メディアがやることじゃないかなと思うので、今後もずっと追及してほしいですし、今名前が挙がっていないところについてはむしろ先陣切って取り上げてほしいと願っています。