統一教会(現・世界平和統一家庭連合)をめぐり、文部科学省は10月13日、教団に対する解散命令を東京地方裁判所に請求したと発表した。

 今回の解散命令請求の決め手となったのは、教団側の信者に対する“献金集め“の実態だ。「週刊文春」は、教団内で共有されていた献金に関する極秘資料を入手していた。当時の記事を再公開する(初出:週刊文春2023年1月5日・12日号/年齢・肩書きは当時のまま)。

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 韓鶴子総裁(79)ら統一教会(現・世界平和統一家庭連合)幹部がアメリカ・ラスベガスのカジノで豪遊するための資金12億円超を日本人信者らが現地まで運んでいた疑いがあることが「週刊文春」の取材で分かった。教団の内部資料を入手した。

 12月14日、文化庁は統一教会に対し、宗教法人法に基づく2回目の質問権行使に踏み切った。視野にあるのは、解散命令請求だ。

「教団は文書で関連資料の提出を求められており、期限は2023年1月6日。その後、信者に対する献金ノルマと組織的関与の有無を検証し、政府が解散命令請求の要件とする違法行為の『組織性、悪質性、継続性』があるか否かを判断することになります」(文科省担当記者)

故・文鮮明氏 ©時事通信社

 これまでも統一教会の献金の“悪質性”は指摘されてきた。

 小誌は今年11月10日号で、韓氏ら統一教会幹部が日本円で64億円(掲載時のレート)にも上る莫大なカネをギャンブルに投じていた疑惑を報じた。教団がアメリカの国税庁に該当するIRS(内国歳入庁)に提出したカジノの“収支報告書”によると、期間は2008年~2011年の約4年間で、韓氏のほか側近・鄭元周総裁秘書室長ら12名の幹部が参加者として名を連ねる。ほぼ全員の収支がマイナスで、損失総額は約9億円(掲載時のレート)に上る。

カジノの“収支報告書”

 幹部らの“カジノ豪遊”の原資は「信者たちの献金ではないか」と囁かれてきたが、実態は謎に包まれていた。だが今回、小誌は決定的証拠を入手した。

「LIST OF PERSONS FROM JAPAN TO LAS VEGAS」(日本からラスベガスへ行った人のリスト)

 こう題された約30枚にわたる文書がある。日本からラスベガスへ渡った統一教会信者のリストだ。元教団幹部によると「先の収支報告書と一緒に提出した資料」だという。