第2子妊娠中に中古の一軒家を購入
でも、夫が学生だなんて、どうやって生活していたのだろう。
「妊娠したのでいったんスポーツジムの仕事は中断するしかなくて。それで、ふたりで旦那の実家に住まわせてもらいました。私はそこで家事や事務の手伝いをしてたんですけど、早い話、寄生ですね。今でも、そのことにすごく恩を感じています」
収入がないにもかかわらず、とりあえず食うにも住むにも困らなかったのだから、恵まれた環境と言える。
それからは?
「旦那が大学を卒業して、実家の土建屋で働くようになって、私はスポーツジムの仕事に戻りました。何とかインストラクターの資格は取ったんですけど、またすぐ妊娠して、再びお休みです。その2番目の子を妊娠している時、中古一軒家を買ったんです」
展開が早い。まだ20代の若さで一軒家購入とは、前回に続き大胆な選択だ。
「田舎の30年の中古ですから、そんなに高いわけじゃないんです。35年のローンを組みました。それだとアパートの家賃払うのと大して変わらなかったし、リフォームは旦那とお義父さんがしてくれたからタダみたいなものだし、買ってよかったと思っています。彼の仕事場の土建屋も、私が今勤めているスポーツジムも徒歩圏内ですし、私の実家にも近くなったし、みんなで仲良く生活しています」
両親と和解できたワケ
ご両親と和解したのね。
「兄たちはふたりとも、東京で結婚して、もう地元に戻る気がないとわかったんです。だったら私が面倒みるしかないじゃないですか。近くに住むよって言ったら、思ってた以上に喜んでくれました」
勘当されたことに対するわだかまりは。
「別になかったですね。だって、それだけのこと、私、しでかして来ましたから。今思っても、ほんと親を泣かせました。まあ、私が能天気と言うか、あんまり後ろを振り返らないっていう性格もあるんでしょうけど」
これまで夫婦、親子、舅姑、親戚、きょうだい、友人、ママ友、隣近所などの関係性に悩み、複雑な心情を吐露する女性を多く見て来ただけに、そのポジティブな心の在り方にちょっと感動する。