素材の切り方、加熱の仕方など定番料理をおいしく作る理屈をレシピに落とし込み、初心者からベテラン主婦にまで幅広く支持された、『料理のきほん練習帳』、意外と苦労する“野菜を摂る”のニーズに応えた『1週間楽しめる 熟成サラダ』等、変化激しい現代人の生活スタイルを的確に捉えたレシピを考案し続ける料理家の小田真規子さん。『おつまみが晩ごはん!』(ダイヤモンド社)は男性編集者とのやり取りから生まれた企画だ。
「料理書は女性目線で作られているものが殆ど。でも今回は男性視点を取り入れました。今の人は昔ほど、退社後に同僚と飲みに行く、ということを好まない。早く家に帰って、簡単な料理を拵(こしら)えて、1人で好きなお酒を飲みたいんですね。そこで、お酒に合う少しパンチの効いた“おつまみ以上ごはん未満”のレシピを提案しています。肉やパスタなどカロリーの高めなメニューもありますが、外で食べるより罪悪感ないでしょ(笑)」
野菜が高騰する今、もしかしたら外食より高くつくこともあるかもしれない家での料理だが、買い物し、食材に触れ、さらに少々お酒を嗜む、という時間はビジネスパーソンのメンタルケアになり、疲れ果てた1日の最後に自分を取り戻す時間にもなるという。
「お刺身ミックスはスグレモノ。夕方以降、特売になり易いでしょ。醤油とわさびだと飽きてしまうけど、オリーブ油のドレッシングで和えれば、日本酒やビールだけでなく白ワインにも合う。ちょっと飲み過ぎたらすぐ横になれるのも家飲みのいいところですね」