アレルギー、ダイエット、体の不調など、さまざまな理由で小麦粉、卵、バターを避けている人が世の中にはたくさんいる。こうした人たちが心置きなく楽しめる、〈あたらしい〉お菓子のレシピを多数掲載した本が、およそ1年半も売れ続けるヒット作となっている。
「もともとは『小麦粉を使わないお菓子』というコンセプトの、アレルギーのある小さいお子さんのいるご家庭に届けたいと考えて企画した本でした。でも本を編集していく中で、『使わない』という否定的な言葉を前に出さなくてもよいのではないかと感じたんです。みんなが一緒に同じものを美味しく食べられるように考案された、〈あたらしい〉お菓子なんだ、と」(担当編集者の和田泰次郎さん)
内容の新規性を押し出しつつ、手に取りやすい本を目指し、装丁やページのデザインにも気を配った。白を基調にした明るい紙面で、作り方の写真も大きく、見やすく配置されている。
「主な読者層は30代、40代の主婦が圧倒的ですが、下は10代から、上は70代まで、幅広く手にとっていただけているようです。単純にヘルシーな甘いものを食べたいという需要もあるようなんですね。白砂糖やバターの代わりにてんさい糖やはちみつ、植物油を使うレシピなので、体に優しい味なんです」(和田さん)
昨年末刊行の、同コンセプトでより簡単なレシピの第2弾『へたおやつ』も、順調な滑り出しを見せている。
2016年9月発売。初版1万6000部。現在9刷8万部