題名にぎょっとする人も多いのでは。だが安心してほしい。「ダークサイド・スキル」とは、論理的思考能力や財務・会計知識のような「ブライトサイド」のスキルに対し、もっと泥臭い、他人に影響を与え、組織を動かすためのスキルのこと。現場に立つミドルリーダーとして、トップにどのように情報を伝え、業務実態に即した意思決定を引き出すか。逆に部下から適切な情報を引き出せるような、信頼される中間管理職となるにはどうしたらいいのか。たとえば、飲み会やランチを重ねることで、組織図とは別の社内での人間関係を作るなど、実践的な知恵が多々盛り込まれている。
「載っているスキルは、以前であれば上司が部下をちょっと呑みに連れて行って伝授していたようなことなんですよね。しかし40代より下の世代になると、意外とこうした知識が上の世代から伝わっていないんです。ビジネス書でも、最近は『自分の市場価値をどう高めるか』『どうやって会社から離れて生きて行くか』といったテーマのものが多く、社内でのスキルを言語化して、体系化するものがないように感じていました。でも『働く』って、個人のスキルだけの問題ではないんですよね」(担当編集者の赤木裕介さん)
ネット書店での動きが好調で、電子書籍も1万部近くを売り上げている。もしかしたら、上司や部下に見つからないよう、こっそり読みたい人が多いのかも。
2017年7月発売。初版1万部。現在9刷6万部