〈あらすじ〉
原子力企業アレバ社労働組合代表のモーリーン・カーニー(イザベル・ユペール)は、新社長のウルセル(イヴァン・アタル)が電力公社EDFと結託し、中国に自社技術を移転する計画を耳にする。国内外5万人の従業員を守るために大臣に内部告発すると、彼女への脅迫や嫌がらせが起き始める。
そして大統領に面会する日の朝、モーリーンは自宅を襲撃した何者かにレイプされる。国家憲兵隊の曹長は、彼女の自作自演だとして自白を促す。4年後、有罪判決を受けたモーリーンは控訴を決意する。
〈解説〉
フランスの国家的スキャンダルを背景にした社会派サスペンス。主人公が心身に暴力を受けながらも戦い続けた実話の映画化。『ルパン』のジャン=ポール・サロメ脚本・監督作。121分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆実話をもとにした映画の強み。女ばかりの労働組合。それを支援する組合代表も女。その連帯感。やさしい夫という救い。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★☆☆☆ユペールの一人舞台だが、演出の手際が悪く、改行の仕方が拙い文章を読まされた気分だ。衣裳の頻繁な取替えも逆効果。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆犯罪を立証するため被害者が行為を再現せねばならないとは。犯行を自演と揶揄されてもユペールの美しさに救われた。
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森直人(映画評論家)
★★★☆☆『エル ELLE』を連想する状況から、王道的な社会派ミステリー展開へ。イザベル・ユペールの存在感がやはり前に立つ。
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洞口依子(女優)
★★★☆☆ユペールの真紅の口紅から政治スリラーとしても多彩に展開。見た目の派手さすら杞憂だと吹き飛ばす彼女の最後の目力。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
INFORMATION
私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?(仏、独)
10月20日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか順次公開
http://mk.onlyhearts.co.jp/