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1ヶ月半で-30cmのダイエット

 2009年にラテン系腰振りエクササイズ「コアリズム」によるダイエット企画に挑戦したときもそうだった。それまでの彼女は、グラビアでは“ぽっちゃり系”で人気を集めていただけに、企画をオファーされたときは、やせる必要はないんじゃないかと思ったという。そのため最後の最後までダイエットはいやだと言い張ったのだが、結局、説得されて取り組むことになる。それからというもの、約1ヶ月半をかけてエクササイズに励み、目標の二の腕・太もも・お尻・ウエストの合計-30cmを達成した。

《何とかやり通せたのは、一部の『どうせ続けられないだろう』という声を絶対に見返してやりたかったんです。どうだ、見たか、ちゃんとやり遂げたぞって、胸を張りたかったんです。まあでも、結果的にはやってよかったんですけどね。女性誌でも取り上げられるようになったし、仕事の幅も広がってきましたし》(『アサヒ芸能』2009年12月17日号)

©時事通信社

 ダイエットの成功で、女性のあいだでは「磯山さんのボディはダイエットしてもほどよく女性の肉感を残しているからすばらしい」などと評判が上がった。それでも、男性ファンからは「早く前の体型に戻ってくれ」の大合唱となる。彼女自身、ダイエット後のインタビューでは、《まあ、これ以上、やせるつもりはないんですけどね。極端にやせてしまうと、顔が老けちゃうし。少しポヨッとしているほうが、私らしいと思うんです》と(前掲)、この体型こそ自分の個性だと再確認した。

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 それ以前から、女性誌でも彼女のぽっちゃり体型は好意的にとりあげられていた。グラビアアイドルの世界も、それまでスレンダー系が主流だったのが、磯山のダイエット企画から数年後には、ぽっちゃりブームがやって来たという。

師匠・志村けんが認めた「長所」

 デビュー当初よりテレビのバラエティでも活動してきた。とりわけ志村けんとの出会いは大きく、『志村けんのバカ殿様』や『志村でナイト』のほか、志村が座長を務める舞台公演『志村魂』にも出演し、間の取り方や舞台での振る舞いなど笑いについて鍛えられた。

 そんな“愛弟子”について志村は《磯山のいいところは、必ず返してくるところだね。期待した答えが返ってくる》と彼女との対談で評していた(『サーカス』2011年6月号)。志村の教えはいまでも、ラジオのレギュラー『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』でメインパーソナリティーの高田文夫からの無茶ぶりに対し、とっさにモノマネで返してみせるなど、彼女のなかでしっかり生きている。

『磯山さやか写真集 milimili 』(ワニブックス、2015年)

 いまでこそ30代に入ってもグラビアで活躍する人はざらだが、彼女がデビューした2000年代には、20歳を過ぎれば女優やバラエティ方面に軸足を移していくというのが当たり前だった。磯山も当初は《グラビアは2~3年くらいでやめるのかなって思っていたら、年上の「お姉さん系」の人たちがワッと出てきたんですよ。その時は「あっ、私もまだいけるかな」みたいな感じで》(「Asagei plus」2020年12月6日配信)、グラビアアイドルを続けていくことになる。