ーー『水曜日のダウンタウン』への出演も再注目に繋がっている気がします。とはいえ、番組では「かつて人気だった芸能人の自宅がめちゃくちゃ小ぶり」なんてテロップも出ていましたけど、こうした企画のオファーに抵抗はありませんか?
石田 いや、べつに。この路線じゃなきゃダメとか、自分のイメージを大切にしている方もいますけど、僕は「べつにいいじゃん」というタイプですね。自分のことをブランドなんて思ったことないし。
さっき街で声を掛けられる話をしましたけど、女子中学生とか女子高生の前を歩いていると「ウケる~」なんて笑われるんですよ。でも、その年代の子たちにとって僕はそういう感じなわけだし、そこに抵抗はしないです。イメージやブランドを守ろうとは思わない。それをやると狭くなっちゃうので。
イメージを作っちゃうとレッテルも勝手に付く
ーーその考えは、昔からですか。
石田 そうです。(島田)紳助さんに言われてから、そうなりましたね。「石田さん、仕事とかいろいろ断らんほうがええで」というようなことを言われたんです。「嫌だなと思うことも全部ひっくるめて栄養にしちゃえ」みたいなことなんですよ。
紳助さんいわく、自分もマネージャーも事務所も「こうじゃなきゃダメだ」と凝り固まると、逆にそっちのほうが痛々しく見えると。殻を作らないからこそ、イメージや可能性が広がっていくというね。
ーー紳助さんに言われるまでは、石田さんもイメージを守ろうとしていた。
石田 そうかもしれません。普通に役者をやっていたつもりでしたけどね。ただ、報道番組『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日・1997~1998年)でキャスターに起用してもらって、自分なりにそういう路線かなと思っていたところはありました。
遠慮なく言わせていただくと、エリートっぽいというのかな(笑)。実際はエリートでもなんでもないんですけどね。ずーっと食えない役者をやってたから、根っこは泥んこですよ。トレンディドラマで出てきたから、そうしたイメージで進んできたんですよね。また、エリートっぽいイメージによって、いけ好かない奴ってイメージも出てきたしね。
なにかしらイメージを作っちゃうと、レッテルも勝手に付くんですよ。
“靴下を履かない”がパブリックイメージで固まり、履けなくなる
ーーどんなレッテルでしょう。
石田 女性好きのフェミニストとか、セーターを肩に掛ける“純一巻き”とか。“プロデューサー巻き”とも呼ばれてますけど、あれなんかレッテルのひとつですよ(笑)。僕からすれば「純一巻きなんて言うけど、みんなやってるじゃん」みたいなね。僕らが若い頃に流行ったトラッドやアイビールックは、みんなああやって肩から掛けてたものなんですよ。
僕はVANが好きで、小学校からお小遣いを貯めてボタンダウンのシャツを着ていたんです。それぐらいアイビールックが好きだから、ああやってセーターやカーディガンを肩に掛けてただけですからね。