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 大部分を陸に囲まれた戸田湾は一年を通して海が穏やか。さらに駿河湾に隣接するため、魚種が豊富で係留船を運営する環境が整っている。

沖合に浮かぶ係留船

 いくつか船宿があるなかで今回は「ちどり丸」を利用させてもらった。船釣り同様に予約制となり、午前、午後の便を選択できる。集魚灯を使用した釣りは午後便になる。17時30分に受付を済ませて乗り場で待機した。予約者全員が集まると、定刻より早く、小さな漁船で沖合の係留船へと向かった。

ちどり丸の乗船場

日没を過ぎると船全体が集魚灯に様変わり

 係留船に乗り込むとそこは当然のことながら船釣りスタイルとなる。

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意外と船上は広い

 しかし、一般的な遊漁船と違って、船長もいなければ固定された船が移動することもない。多少の揺れはあるものの大きなカセ釣り(小舟を曳船して沖合の生簀などに固定して行う釣り)のような環境だ。

 また、足元から海底までは30mもある。陸っぱり釣行では体験できないスケールに期待が高まる。まだ本番前とはいえ、夕マヅメに期待してカゴ釣り(撒きエサで魚を寄せて刺しエサを喰わせる釣り方)を開始したが、タナが定まらずアタリを得られなかった。しかし、日没後に船長が集魚灯を点灯したことで世界が変わった。

集魚灯のスイッチON!

 船上はイカ釣り漁船を彷彿させる数の集魚灯が吊るされ、船の周りを隈なく照らしている。夜釣りにもかかわらず、ヘッドライトが必要ないほど視界が明るい。

今回の釣行の際には水中ライトも投入されていた

 海面を覗くと、明かりが透過して早くも集まった魚が確認できる。

表層にいるのはハタンポやアジ

 集魚灯は時間を追うごとに効果を発揮する。船長の案内だと2時間後の20時がアツいそうだ。お祭りに備えて釣竿を複数本用意して待つ。