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〈関東では“全面禁止”の釣り〉海上にポツンと浮かぶ船から…静岡県沼津市にある“ぶっ壊れ設定”釣り場に行ってきた

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 高価な釣具を使ったり、YouTubeで名人のテクニックを学んだり、釣りにおいて格段に釣果を上げる方法はさまざまあるが、なかでも、チート級といえるのが物理的に魚の回遊と活性を高める“集魚灯”だ。

 夜の海に集魚灯を入れたり、海面に光を照射するだけで驚くほど魚が集まってくる。集魚のメカニズムは、光にプランクトンが集まることで、それを捕食する小魚が回遊する。やがて小魚を捕食する大きな魚が寄ってくる……という、まさに光で食物連鎖を誘発させる仕組みだ。しかし集魚灯は、あまりのチートさゆえに都道府県によって使用禁止漁具に指定され、そのエリアも拡大傾向にある。

数年前に神奈川県での使用が禁止されたことで関東では集魚灯を使えるつ釣り場はなくなった

 集魚灯に対するプレッシャーが高まるご時世。しかし、イカ釣り漁船レベルの光量が海面に照射される、もはやぶっ壊れ設定な釣り場があると聞いた。今回は規格外の光に照らされて回遊魚が爆湧きする唯一無二の釣り場に向かい、その釣行をレポートしていく。

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海上にポツンと浮かぶ係留船からの釣り

 今回の釣り場は伊豆半島の玄関口でもある静岡県沼津市。沿岸部を南下して行くと目的地の戸田の街が現れる。

戸田湾

 戸田には伊豆で最も新しい温泉「戸田温泉」があり、風光明媚な海岸線からは富士山を眺めることができる。

突出した御浜岬も戸田の象徴

 観光だけでも十分に楽しめる街だが、お目当ての釣り場は戸田湾に浮かぶ係留船だ。沖合には遊漁船サイズの船がアンカーで係留されており、ここに乗り込んで釣りをすることができる。