架空の妹になりすまして偽の戸籍を作ったなどとして、警視庁大井署は22日、有印私文書偽造・同行使などの疑いで、東京都大田区の警備員、吉野千鶴容疑者(72)と、夫で会社員の幸彦容疑者(65)を逮捕した。
社会部記者が解説する。
「千鶴容疑者は夫の幸彦容疑者と共に2021年から2022年にかけて、架空の24歳年下の妹『岩田樹亞(じゅあ)』を名乗り、偽の書類を家庭裁判所や区役所に提出したとみられています。幸彦容疑者も戸籍取得の過程で、千鶴容疑者を『妻の妹だ』と虚偽の説明をしていた疑いが持たれています」
事件が発覚したのは去年の10月。千鶴が「岩田樹亞」として原付バイクの免許を取得しようとした際、千鶴の姿と書類に記載されている年齢がかけ離れていることを警察官が不審に思ったことがきっかけで判明した。
偽の戸籍取得後、都内の警備会社に就職した千鶴。“24歳サバ読み”という大胆な犯行に及んだ千鶴はどんな人物なのか。同僚が明かす。
出入り禁止の仕事現場が続出していた
「48歳には見えず、周りからも『老けているなぁ』と噂されていましたが、特に年齢について追及する人もいませんでしたね。関西出身らしく、いつも関西弁でしゃべりまくる強烈な人。奈良の“騒音おばさん”とイメージが近い。
煙草も普通は休憩中に目立たない場所で吸いますが、現場近くで堂々と歩き煙草をしたり、勤務態度は悪かった。気に入らない同僚に対して『私の悪口を言っていたでしょ!』とヒステリックに当たり散らすことも多く、評判は最悪でした。出入り禁止にされた現場も4つくらいあると聞いています」
出入り禁止の現場が続出する中、千鶴が譲れない現場があったという。
「午前9時から始まり、勤務時間1時間ほどで日当約1万2000円が出る“おいしい現場”があるんですよ。そんな権限はないはずなのに、岩田さん(千鶴)は、『これは私がとってきた仕事だから私がやる』と強引に受け持っていました」(同前)
その現場で千鶴は、こんな行動に出ていた。