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 半島は洋の東西を問わず、経済が発展しにくい土地と言われている。海の存在によって、半島の付け根部分にしか人が流入しない傾向があるという。

 汐留シオサイトは海にかわって、いずれも幅員の広大な道路とレールで仕切られてしまっている結果、人の流れが潤滑にならないのである。

汐留・イタリア街 ©AFLO

人の導線を考える建築家やデザイナーは少ない

 建築家やデザイナーはお洒落できれいな街づくりに精力を注ぐが、この街にやってくる人の導線を考える人は少ない。本来はデベロッパーの仕事なのだろうが、シオサイトのように、街区整備をしたうえで、街区ごとに個別に入札を行ったために、街区全体をコーディネートする役割を果たすことができなかったように筆者には見えた。

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 不動産の価値は、ハコモノを造れば上がるわけではない。ここに人が集い、働くだけでなく、住み、遊び、憩う場がなくてはならない。これらの要素をすべて詰め込んでいるかにみえた汐留シオサイトは、実はカタチだけにこだわった街だったのかもしれない。その汐留シオサイトの端にある商業施設・カレッタ汐留に、現状のままで人の流れが戻ってくるのは難しそうだ。そんなことを考えながら私が向かったのは、新橋の赤レンガ通りにあるいつもの居酒屋だった。