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動画SNSを勉強に活かすうえでの3つのポイント

(1)スポットで活用する

 たとえば、どうしてもわからない分野・問題がある場合に、その単元を理解するためだけに見るなど、使い所を限定して用いる。

 

(2)見たままにせず、必ず類題に自分で取り組んでみる

 動画を視聴して「わかりやすい」「理解できた」と思うだけでなく、動画で紹介された考え方や解法を、類題やその単元の演習問題などを通して、その考え方が本当に通用するのかどうか/他の問題でも活用できるかどうかを試してみる。

 

(3)過度の信頼を置きすぎないよう細心の注意を払う

 問題によっては別解や別のアプローチが存在するケースもあることを念頭に置き、動画内で語られていた情報と異なる情報に接した際に、「これは間違っている」と決めてかからないよう注意する。時間が許すのであれば他の発信者と比較検討することも一つの手ではある。

 無論、私は予備校講師であり、いわゆる「ポジショントーク」と取られる側面もあるだろうが、少なくとも情報の精度や信頼度のばらつきが大きいコンテンツ群を手放しに推奨することはできない。しかしその一方で、動画SNSが持つ可能性を否定する気は毛頭ない。日本でも教育格差の問題はかねてから指摘されており、無料や安価で授業を受講できる動画SNSは、その解決の一助になる可能性を十分に秘めている。

©AFLO

 現場であれ動画であれ、「良いコンテンツは良い、悪いコンテンツは悪い」のである。とはいえ動画SNSの影響力は計り知れない以上、「悪貨は良貨を駆逐する」という恐れもある。

 指導者・発信者側はより一層のレベルアップを図りつつ、視聴者の側は動画SNS上の学習コンテンツを活用する際に、それが玉石混交であることを念頭においた上で、盲信的にならないように注意することが肝要だろう。

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 間違っても、動画「だけ」を根拠に他のアプローチを拒絶することにならないようにしたいものである。