1ページ目から読む
4/5ページ目

いまいちなところ:使い道に困る温度センサー

 このPixel 8 Proにのみ新しく搭載された機能に、温度センサーがあります。カメラの横に追加された温度センサーを使うことによって、物体の温度をすばやく測定できます。カメラのように遠い距離から測れるわけではなく、約5cmの距離まで接近する必要はありますが、使い方によっては重宝します。

 ただし実際の利用にあたっては、表面の素材などを選択してやらなくてはならず、手間もかかる上に素材の選択ミスによる誤計測も考えられます。また現時点ではFDA認証を取得していないため体温の測定には利用できず、仮にFDAをクリアしても日本では薬機法の関係で医療器具として販売するのは困難です。体温が測定できれば、日々の健康状態のチェックに活用できるのですが、現時点では使い道に困ってしまいます。

背面カメラ部の右端(赤丸印)に、新たに温度センサーが追加されています
もっとも体温の測定には利用できず(左)、また材質をあらかじめ選択しなくてはいけません(右) 
温度を測定するには対象から約5cmの距離に近づく必要があります(左)もっともこのデータをほかのアプリが利用することはできないなど、用途には制限があります(右)

いまいちなところ:「スゴいけど使わない機能」が多すぎる?

 本製品はAIを活用したさまざまな機能が搭載されています。たしかに画期的かつ斬新な機能が多いのですが、実際に使う機会は訪れなさそうな微妙な機能も多々あります。

ADVERTISEMENT

 例えば、複数の集合写真を合成することで、誰かが横を向いていたりまばたきしていてもベストな写真を作り出せる「ベストテイク」や、写真内で被写体の位置を動かしたり、さらにはAIが別のイメージを合成してくれる「編集マジック」は、確かにスゴい機能ではあるものの「でも実際には使わないだろうなぁ」という機能の典型例です。

 こうした機能は、あっても特に邪魔になるわけではありませんが、本製品は従来モデルに比べて価格が大幅に上昇していることから、これら機能が価格を押し上げる要因のひとつになっているとすれば、少々納得がいかないところです。

「消しゴムマジック」を使って特定の被写体(ここでは人物)を除去できます。周囲から似た背景を持ってきて合成するという、一般的なレタッチに似た仕組みです
その発展形である「編集マジック」では、生成AIを用いて指定範囲をまったく別の画像に入れ替えられます。この写真では画面中央、東京駅前の広場に別の公園が出現しています。画期的な機能ですが、使い道があるかと言われると微妙なところ
さらに「スタイル適用」で、元写真(上段左)からまったく別の画像(上段右、下段左、下段右)を生成できます。これも「すごい」というだけで使い道がなさそうな機能です