1ページ目から読む
2/4ページ目

曲作りの過程で味わったミスチルの真骨頂

――曲作りの段階で、意見の相違などはあったのでしょうか。

GAKU 僕はラッパーなので、頭からバーンと16小節で、テンションを上げながら最後まで行くのがいいと思っていたんです。でも桜井は、最初は静かに入って、どんどん上げていき、最後に向けてヒートアップしていく方が絶対にいいって言うんですよ。

 しかも、「こっちのほうがいいよ」と感覚的に言うのではなく、「こうだから」と論理的に説明してくれるので、納得できた。曲作りの専門学校に入ったみたいで、これがミスチルの真骨頂かって思いましたね。

ADVERTISEMENT

 できた曲を実際に聞いてみると、桜井の言う通りなんです。僕は、ヒップホップのルールを学び、曲作りをしてきたんですけど、J-POPの曲の組み立て方などすごく勉強になりました。僕の大きな財産になっています。

 ウカスカジーでの桜井との共演はGAKUに曲作り、ステージでの動きなど、大きな影響を与え、変化と進化をもたらした。

――一緒に活動をしていて、改めて桜井さんの凄さってどういう部分に感じられましたか。

GAKU 桜井は、もう日々の努力というか、トレーニングがすごいんです。今でもボーカルレッスンに通っていますし、発声練習もすごい。ライブの際、隣の部屋に泊まることが多いんですけど、朝6時ぐらいから発声をやっているのが聞こえてくるんです。だから、あの高音と独特の声質を維持できているんだなって思いました。

 僕も影響を受けて、桜井に教えてもらったボーカルレッスンの教本を持って、車での移動の際などには、それを実践しています。

 

「自分の新しいドアを…」ギブソンのアコギを買った理由

――アコースティックギターを弾き始めたのも、影響を受けてのことだったのでしょうか。

GAKU アコギを始めたのは、桜井の影響というわけではなくて。『手を出すな!』をリリースした時、この曲は僕にお金をもたらすなって思ったんです(笑)。それで海外旅行に行くのか、車を買うのか、いろいろ選択肢があったんですけど、自分の新しいドアを開くものに投資した方がいいんじゃないかと思って、ギブソンのアコギを買いました。

 ギター教室に通って自分の曲を弾き語りできるようになると、リズム感が良くなったり、他のミュージシャンとの会話が楽譜でできるようになって。ラッパーの自分に、音楽の革命を起こしてくれました。それ以降、ギターの弾き語りツアーをして、生活費と3人の子どもの学費を稼ぐことができたので、正しいお金の使い方をしたなあと思います。