地上部隊兵力の頂点に君臨する戦車
いや、これまた再度言わせてもらう。「戦車ほど味方にすれば心強く、敵に回すと恐ろしいもんはない」。1990年に始まった第1次湾岸戦争、2003年のイラク戦争双方見てきた不肖・宮嶋であるが、第1次湾岸戦争が地上戦途中で停戦になり、サダム・フセイン独裁政権が生きながらえたのに対し、イラク戦争では首都バグダッドに米軍のM1「エイブラムス」戦車が雪崩れ込んできて、フセイン政権は完全崩壊、命運尽き、戦争は終結したのである。
逆に昨年2月に始まったロシア軍によるウクライナ侵攻ではロシア軍はウクライナの首都キーウに東西北部20キロまで迫り、包囲しつつあったのに、その大兵力の先陣を切っていた負け知らずのロシア戦車部隊が、NATO軍がウクライナに供与していたジャベリンミサイルでことごとく撃破され敗走、ロシアによるウクライナ全土征服の夢ははるかに遠のいた。
要はドローンやろうが、爆撃機やろうが、空爆をいくら執拗に繰り返しても、最後戦争を終結させるのは地上部隊であり、その地上部隊兵力の頂点に君臨するのが古今東西戦車なのである。
したがって戦車はその時代、場所ごとに、最高の技術を取り入れてきた。確かにロシア軍によるウクライナ侵攻やイスラエル軍によるガザ侵攻後、戦車の最大の敵は敵戦車や対戦車ヘリからドローンや個人携帯型ミサイルに取って代わられた。しかし戦車が地上最強兵器である事にかわりはない。その威圧感、火力、機動力、防御力それらは他のどの地上兵器も及ばない。もう戦車がそこにいるだけで敵は震えあがり、味方は安堵できるのである。そんな戦車の実働部隊が東京周辺はおろか本州から1両もいなくなるのである。
それにも増して不都合な真実がある。本州以外で、戦車はおろかMCV(機動戦闘車)すら1両もない県が我が国にはひとつある。そう、お察しの通り、沖縄県である。
同じ県下の尖閣諸島周辺海域を荒らす中国がおるのに、それでほんまにええんか。岸田首相とてロシアか北朝鮮か中国か、いやその全部かもしれん敵に東京まで攻めいられても、いや国会周辺をデモ隊に包囲されたとしても、もはや本州内から駆けつけてくれる戦車は1両も無いんやぞ。我先に逃げ出す、岸田首相に限ってまさかそんなことはないやろな…?
撮影 宮嶋茂樹
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