38年ぶりの日本一に輝いた阪神と、2年連続最下位に沈む中日の差は監督の力量のせいと言ったも同然の言葉だった。
「立浪監督の采配は工夫がないと言っているように聞こえました。プロ野球の世界で監督批判はご法度なのに……。星野(仙一)さんが監督だった頃ならあり得ません」(中日OB)
立浪監督の求心力低下の兆候は8月上旬の「米禁止令」直後から出ていた。
8月16日の巨人戦前(バンテリンドームナゴヤ)には、1軍昇格したばかりの石垣雅海内野手が試合前の円陣で声出しを務め「食堂入ったときに米がなかったので、今日は米米CLUBではなく、米なしCLUBで行きましょう!」などと立浪監督をいじったのだ。
他選手は「OK、米なしCLUBね」などと呼応し、気勢を上げていた。この映像は球団の公式YouTubeにアップされた。「真面目な石垣が、1軍合流早々にそんなことを自分の意思で言うわけがない。他の選手にたきつけられたのだと思う。それにしてもコーチの眼前の円陣で、そういう声出しができるのは選手たちが監督を恐れておらず、なめているからでしょう」(同前)
「米騒動」の写真も流出
さらにその後、立浪監督の采配を揶揄し、辞任を求めるなどした野球アニメ『タッチ』の替え歌がYouTubeで反響を呼ぶ。サビを「お願い、タッツ、タッツ、辞めて、タッツ、あなたから~♪」に替えたこの曲を、選手たちも聞いていたという。ロッカールームでは選手たちがイヤホンを装着して盛り上がったというから、監督の威厳など完全に消え去っている。
「大野の会見だけではなく、米禁止令の張り紙写真や、経緯の詳細が報道されたことにも監督の求心力の低下が表れています。今は指導者が選手に手を上げるどころか、怒るのも難しい時代で選手の立場が強くなっている。それにしたって、2年足らずでここまで選手の気持ちは離れるものなんですね」(同前)