我慢できるファンもいるが我慢できないファンもいる
立浪監督の2年目の成果は、チームの若返りを進めたことでした。2年目の成果をもう一つ挙げるとすると、1年目のやり方では成果が出ないのがわかったことではないでしょうか。
1年目はトレードを活発に行って下位に低迷していたチームを変えようとしました。チームの中堅選手と若手選手を入れ替えて底上げを図りましたが、それだけでは何ともならないことがわかったのが2年目でした。血の入れ替えは1年で結果が出るものではないかもしれませんが、思ったよりも成果が出なかった。ならば、ここからどうするかが問われます。
僕としては、けっして立浪監督のやりたいことが伝わらなかったということはありません。チームを若返りさせながら、これから何年もレギュラーを張っていく選手を育てていくという今の取り組みは、けっして間違っていないと思います。ただ、それだけでは勝てないことがわかりました。
僕は今年、中日ドラゴンズのファンを辞めるわけではないし、来年辞めるわけでもありません。だから、ずっと我慢できます。我慢したいわけではないんですけど(笑)。生え抜きの若手選手たちをじっくり育てて、3年後、5年後に黄金期を作るというのなら、それまで待つことができます。
ただ、そういうファンばかりでもないと思うんです。それは今年、ドラゴンズを応援していて痛感しました。ドラゴンズの若返り策に理解を示して待っているファンもいれば、今年勝ってほしいと願っているファンもいます。これを一つにまとめるのは難しいでしょう。
でも、やっぱりファンは勝利が見たいんです。両立が難しいのはわかっていますが、勝利を目指さなければ、来年以降もチームの指揮官として理想のチーム作りができなくなる可能性もあります。2年連続最下位という結果を踏まえた上で、シーズンオフに球団がどのような動きを見せてくれるか。そこに注目したいと思います。
1年目を踏まえて2年目を戦って、それでも結果が出なかったという事実は重いと思います。立浪監督も1年目より2年目のほうがショックは大きいのではないでしょうか。3年目は立浪監督も崖っぷち。これまでの2年の失敗を繰り返さないことが大切です。立浪さんがどんなカードを切って、どんな采配をするのか、僕は楽しみにしています!
最後にひとつ。ドラゴンズの選手のみならず、球団広報の方々にもたくさん取材をして見えてきたものがあります。それは今、ドラゴンズというコンテンツは非常に数字を持っていて、どんなことでも記事を書けばとても盛り上がるそうです。だから、あることないことたーくさん出回っています。なので僕たちドラゴンズファンが踊らされることのないように、しっかりと記事の出どころを確認していきましょう!(笑) 選手が本当に困ってるときに声をあげられるファンでいたいですね!
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