「(オープン戦の)入場料金、もっと安くできんのやろか」

 これ、西武ライオンズ黄金期の森祇晶監督の言葉。当時のオープン戦の序盤は、主力組は参加せず、若手中心で戦って力を試す段階だったため、まだ寒い中、球場に足を運んでくれるファンの心情を察してのものだった。細かな金額は記憶してないが、確かに高額であったのは間違いない。「(入場料金が)1000円ぐらいだったら、気にせずどんどん若手を使えるからな」と森監督。

 ところが、最近はオープン戦の初戦からほぼベストメンバーで臨む傾向にある。さかのぼって、キャンプの初日から主力投手でもブルペンに入り、捕手を立たせながらも投球練習を始めているのだ。今年の西武の南郷キャンプの紅白戦初戦(2月17日)から、新外国人のファビオ・カスティーヨやニール・ワグナーが登板していたのもわかる。

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 野手でも復帰したベテランの松井稼頭央をはじめ中村剛也、栗山巧、エルネスト・メヒアも練習早帰りの恩恵を受けず試合に参加。辻発彦監督は「順調に仕上がっていれば(紅白戦に)出ない理由はないからね」と普通の流れであることを強調していた。オープン戦に入り、投手陣の一部とメヒアは帰京したが野手はほとんどが試合に出場し元気な姿をファンに披露。こうした現状ならば四半世紀前の監督の心配はまったく不要ということになる。

 これには年間試合数が関係している。前述した当時は130試合制で公式戦の開幕も4月の第1週か2週目だった。今年は3月30日が開幕だが、2年前は3月25日と「超早開幕日」。なので、2週も違えば調整も早くなるのは必然といえる。ただ、開幕が早いと秋のポストシーズンも絡んでくる。公式戦の全日程が終了してからクライマックスシリーズ、日本シリーズまでの間隔の問題だ。まあ、今回はこれがテーマでないので詳しくは述べないが、大事なポイントであるのは間違いない。