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 いくら相手が弱くても、3点取るっていうのは、簡単じゃない。結果を出せたということで、上田自身は予選でいいスタートを切れたと思います。得点パターンもヘディングあり、裏抜けありと多彩で、フェイエノールトでの調子の良さが、そのまま出ている感じがしました。

南野と上田のコンディンションが好調

――上田選手は、以前と比較して、どういう面で違いを感じますか。

 フェイエノールトでは、結果を出さないと認めてもらえないので、とにかくゴールを狙う。その姿勢がより強くなり、試合中は、細かく動き直しながらボールを引き寄せる動きを続けて、ゴールに向かってプレーしていた。俺に出してくれっていうのが、彼の動きから感じられた。

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 そういう得点への貪欲さは以前よりも感じられますし、そのための手段として周囲との連係も良くなっていました。1点目の南野(拓実)からのボールをヘディングで決めたゴールは難しかったけど、ああいうボールが出てくるのを分かっていた。お互いのことを理解し合ってプレーしているのを感じましたね。ただ、こういうプレーが強い相手にもできるかどうか、でしょう。

上田綺世選手 ©JMPA

――南野選手も上田選手へのアシストも含め、動きが良くなっている感じがありました。

 カタールW杯が終わった後、代表に呼ばれなかったですし、呼ばれても動きが悪い時期があったけど、ようやくその悪い時から脱却しつつあります。今、モナコで試合に出て、8月の月間MVPを獲得するぐらい好調なのは、コンディションがいいからだと思うんです。

 もともと技術が高く、視野が広い選手だったけど、コンディションが上がって本来の良さが出るようになった。もっとコンディションが上がるはず。そうなれば、試合開始直後に自分で打って外したシュートがあったけど、ああいうのも決められるようになるでしょう。

 南野の復調は、代表にとって大きいです。鎌田や久保(建英)もうかうかしていられないと思っているでしょう。

攻撃と守備での切り替えもしっかり出来ている

――攻撃陣は、上田選手、鎌田選手、堂安(律)選手で5点取りましたが、守備陣は相手がシュートゼロということもあり、あまり見せ場がなかったですね。

 ほぼハーフコートでの試合だったので。でも、前半の終盤かな。3点取って、落ち着いた時、相手にボールを持たれて、日本の守備がちょっとふわってなっていた時間帯があったんです。